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SDGsはなぜ必要?17の目標達成を実現するために取り組む理由

記事カテゴリ:[ SDGs ]

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更新日:2025/1/31

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、「地球上の誰一人取り残さない」との理念を掲げ、人類が今後も地球上で暮らし続けていくために達成すべき17の目標と行動計画をまとめたもののこと。
SDGsは17のゴールと169のターゲットで構成されており、サステナビリティの実現に向けて、具体的な目標が示されています。目標達成の期限は2030年です。

SDGsは、MDGs(ミレニアム開発目標)を引き継ぎ、課題の対象を先進国を含む世界全体に拡大しました。MDGsは主に発展途上国に対する支援を目的としており、非営利団体が中心でした。SDGsでは、企業も含めた多様な団体との協力を求めています。
本記事では、SDGsの必要性とその背景について紹介します。また、ネスレの取り組みも紹介しながら、それぞれの行動計画がどのようにSDGsの実現に貢献するのか見ていきましょう。

SDGsは無駄?無意味?なぜ必要なのか解説

SDGsは、貧困の撲滅や環境保護、社会的な公正を実現するための枠組みです。
SDGsが必要とされる理由は、経済的、社会的、環境的な課題が相互に関連しているため、それぞれの問題に対して包括的に取り組む必要があるからです。

では、SDGsが必要とされる具体的な理由を見ていきましょう。

1-1 持続可能な経済成長を促進するため

SDGsは、環境への影響を最小限に抑えながら、長期的に安定した経済発展を実現することを目指しています。再生可能エネルギーの導入や、資源の効率的な使用、廃棄物の削減など、環境保護と経済発展を両立させる取り組みを世界中の企業や人々が一丸となって進めていくことで、持続可能な経済成長が促進され、結果的に貧困削減や雇用創出に寄与できる可能性が高まります。

経済成長と環境保護の両立は、社会全体の発展につながる重要な要素です。

1-2 貧困や教育など社会的な課題に対する意識を高めるため

世界には、貧困や紛争、飢餓、教育の不足、ジェンダーの不平等、衛生環境の悪化など、多くの社会的課題が存在しています。これらの課題に対し、SDGsは具体的な目標を設定。各国や企業、市民が共に取り組むための共通の基盤を提供する試みを行っています。この取り組みによって、社会的な課題に対する意識を高めることで人々の行動を促進し、実際の変革をもたらすための具体的な指針となりました。

1-3 国際的な協力とパートナーシップを強化するため

SDGsは、国際的な協力とパートナーシップを強化するための枠組みを提供し、グローバル規模で課題に対処するための共通の目標を掲げています。それぞれの目標は各国が連携して取り組むことで初めて達成されるもので、特に発展途上国への支援や投資は欠かせない要素です。

1-4 地球の持続可能性を高めるため

人間が地球の自然資源をどれだけ使い過ぎているのかを示す指標に「アースオーバーシュートデー(Earth Overshoot Day)」があります。

これは、1年間に地球の生態系が供給できる資源(バイオキャパシティ)と人間の資源の使用量(エコロジカルフットプリント)を比べ期日に換算したもので、地球がつくり出せる1年分の資源を人間が使い果たしてしまう日を算出するというもの。

アースオーバーシュートデーが12月31日に近づくほど地球の持続可能性が高く、1月1日に近いほど持続可能性が低いことを表しています。1970年のアースオーバーシュートデーは12月29日でしたが、1990年は10月11日、2023年は8月2日と年々早まっているのが現状です。

SDGsの目標の中には環境保護を重点に置いた目標も含まれており、地球の持続可能性を高めるためにも重要といえます。

参考:毎年早まるアース・オーバーシュート・デー|Share The World's Resources
参考:2023年のアースオーバーシュートデーは、8月2日|特定非営利活動法人エコロジカル・フットプリント・ジャパン
参考:オーバーシュート・デー: 研究によると、国々は地球が2個あるかのように依然資源を消費し続けている|Share The World's Resources
参考:アースオーバーシュートデーとは【2023年は8月2日】日本は何日?| 辻・本郷 スマートアセット株式会社な

SDGsが注目される理由とは

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SDGsは、今や国際社会で広く注目される存在です。地球全体の持続可能な将来を実現するために国連によって採択され、世界各国が協力して取り組むべき共通の指標とされています。

SDGsがなぜこれほど注目されるのか、その理由を詳しく見ていきましょう。

2-1 国連が採択した国際的な合意であるため

SDGsは、国連が採択した国際的な合意であり、全世界が取り組むべき指針です。単なる国際協定にとどまらず、すべての国が協力し合い、共通の目標達成を目指すという強い意志を反映しています。

SDGsの採択により、各国政府、企業、市民社会、国際機関など、広範囲に及ぶステークホルダーがこの目標に対して当事者意識を持ち、具体的な行動を取ることが求められるようになりました。SDGsは地球規模の課題に対処するための包括的な枠組みとして、国際的な連携を促進する役割を果たしています。

参考:SDGsとは?|外務省

2-2 すべての人に向けられた目標であるため

SDGsは、先進国から発展途上国まで、すべての国に向けられた共通の目標です。特定の地域や国だけでなく、地球全体の持続可能性を追求するためのものであり、その対象はすべての人々に及びます。

性別や年齢、障がいの有無に関わらず、誰もがSDGsに基づいたアクションを取ることが求められ、そのために必要な支援や教育も不可欠です。特に、社会的に弱い立場にある人々が取り残されることのないよう、SDGsは包摂的な社会を目指して設定されています。

参考:SDGsとは|農林水産省

2-3 詳細な目標が設定されているため

SDGsは、17の目標から構成されており、具体的かつ詳細な目標が持続可能な社会の実現に向けた具体的なガイダンスを提供しています。

各目標では、個々の課題に対する解決策を示していますが、一つの目標に取り組むことで他の目標にも貢献できる設計となっているのが特徴です。例えば、貧困の救済が教育の向上につながり、教育の向上がさらに経済成長を促進します。具体的かつ相互に関連する目標を持つことで、効果的な持続可能な社会づくりに寄与しようとしています。

参考:SDGs17の目標|日本ユニセフ協会(ユニセフ日本委員会)
 

2-4 ビジネスチャンスにつながるとされているため

SDGsが注目されるもう一つの理由は、これらの目標が新たなビジネスチャンスを創出する可能性を秘めているからです。

例えば、廃棄物を減らす取り組みや、製造過程での二酸化炭素(以下、CO₂)排出削減などが、環境に配慮した商品として市場での競争力を高める可能性があります。SDGsに基づくビジネスモデルは、企業にとっても新たな成長機会を提供し、社会的価値と経済的利益の両立を目指す上で重要な要素です。

SDGsの目標達成に向けて企業の取り組みが求められる理由

SDGsの達成には、企業の積極的な参加が不可欠です。経済的・社会的に大きな影響力を持つ企業は、豊富なリソースを活用してSDGsの目標達成に貢献できる立場にあります。

なぜ企業にSDGsに関する取り組みが求められるのでしょうか?ここでは、具体的な視点から紹介していきます。

3-1 経済的・社会的な影響力があるため

企業は、経済的・社会的に大きな影響力を持つ存在です。多くの企業が世界中に広がるサプライチェーンを通じて活動しており、その影響力を活用することで、貧困に苦しむ地域の人々の生活を改善できる可能性があります。

さらに企業は、技術や資金を活用して、持続可能なビジネスモデルを推進し、SDGsの目標達成に貢献することが可能です。特に大規模な企業は、そのリソースを活かして、持続可能な商品の開発や環境保護活動を推進することで、社会全体にプラスの影響を与えることが期待されています。

参考:企業にとってSDGs が意味するもの|SDG Essentials for Business

3-2 SDGsへの取り組みに対する投資を促すため

SDGsの目標達成には、技術開発や製造方法の見直しなど、さまざまな分野で多額の資金が必要です。企業がSDGsに対する取り組みを行うことで、投資家がこれらの取り組みに資金を提供する可能性が高まります。

特に、環境(Environmental)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の三要素を考慮したESG投資は、SDGsへの取り組みを投資の判断基準とする重要な指標です。企業が積極的にSDGsに取り組むことで、長期的な投資の安定性を高め、持続可能な成長を実現するための資金を確保できます。

参考:投資が社会を良くする?SDGsとESG投資の関係|知るぽると

3-3 サプライチェーンを通じた取り組みが求められるため

SDGsの目標達成には、サプライチェーン全体を通じた企業の取り組みが不可欠です。企業は自社の活動だけでなく、サプライチェーン全体での人権尊重や労働環境の改善、環境保護を推進する責任があります。

特に、世界的な貧困撲滅や地球環境の改善を達成するためには、企業はサプライヤーと緊密な関係を築き、持続可能な取り組みの推進が必要です。企業が社会的責任を果たすことで、より持続可能な社会の実現に貢献することが求められています。

企業がSDGsに取り組むべき理由

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SDGsは法的な拘束力が緩いソフト・ロー対応であり、達成しなくても罰則はありません。しかし、SDGsへの取り組みは社会的な重要性が高く、企業がSDGsに取り組むことで社会からの信頼を得られ、企業価値の向上につながります。

そのため、SDGsへの取り組みは、企業にとっても大きなメリットがあり、商品やサービスの価値向上、事業の拡大、企業イメージの向上につながる可能性があります。

企業がSDGsに取り組むべき理由について、さらに詳しく掘り下げてみましょう。

4-1 商品やサービスの価値を高められる

SDGsに消費者が注目する中、環境への負荷を抑えた商品や、社会的課題に配慮したサービスの需要が高まってきました。そのため、持続可能な社会を考慮した商品やサービスの提供は、企業にとって新たな付加価値を生み出す機会となっています。

例えば、持続可能な農業による農作物や、家庭環境に関わらずに受けられる教育サービスの提供は、消費者にとっての新たな価値提案となります。企業が市場での競争力を強化することで、より持続可能な事業の発展が期待できるでしょう。

参考:SDGs|METI/経済産業省関東経済産業局

4-2 事業の拡大につながる

企業がSDGsの目標達成に向けて事業展開を行うことで、新規事業の創出や事業の拡大につながる可能性が生まれます。持続可能なエネルギーの開発や、環境に配慮した商品の提供など、新たな市場を開拓する機会も増えるでしょう。

また、SDGsに基づいた事業戦略は、長期的なビジネスの成長を支える重要な要素です。持続可能な事業展開を進めることで、企業は新たな顧客層を取り込み、市場での競争力を強化することができます。

参考:SDGs|METI/経済産業省関東経済産業局

4-3 企業イメージの向上につながる

企業がSDGsの目標達成に向けて取り組むと、社会的責任を果たしている企業と認識され、イメージの向上につながります。

近年、消費者や投資家は、社会や環境に配慮した企業を支持する傾向が強いです。SDGsに積極的に取り組む企業は、信頼性やブランド価値が高いと考えられる機会が増えてきました。さらに成果を公表することで透明性も高まり、企業の信頼性は一層強化されています。一方で、無関心な企業はリスクを抱える可能性があり、これからは積極的な取り組みが求められていくでしょう。

SDGsに関連するネスレの取り組み

ネスレ グローバルでは、SDGsの目標達成に向けて、グローバルな視点からさまざまな取り組みを推進中です。持続可能なサプライチェーンの構築や、環境への配慮、地域社会への貢献などに関する具体的なアクションを起こし、「共通価値の創造(CSV)」の実現へ向けて活動を進めています。

では具体的に、ネスレのSDGsに関する取り組みにどんなものがあるか見ていきましょう。

5-1 SDGs4『質の高い教育をみんなに』

4番目の目標(SDGs4)は『質の高い教育をみんなに』とされ、「すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」としています。それだけ、SDGsにおいて教育は重要視されているのです。

2009年から取り組んでいる「ネスレ カカオプラン」では、これまでにカカオ生産者の暮らす地域社会発展に寄与するため、水環境や道路環境の整備、学校の建設・改修、また、女性の教育をサポートするなどして児童労働のリスクを減らすことを目指して活動を続けています。
その一環として、コートジボワールに学校を建設し、子どもたちの教育を支援してきました。中でも、女性の識字率を上げることは、栄養の改善や子どもの死亡率の減少、児童労働のリスクを減らす重要な要素になるため、そのための活動を継続的に提供しています。

SDGs4や「ネスレ カカオプラン」については、下記のリンクからご覧いただけます。

関連記事:SDGs4『質の高い教育をみんなに』とは?日本や世界の現状と企業の取り組み事例を紹介 | ネスレ日本
関連記事:ネスレ カカオプラン | KitKat

5-2 SDGs12『つくる責任 つかう責任』

SDGs12の具体的な目標は、「持続可能な生産消費形態を確保する」ことです。

人類が地球上で活動を続けていくには資源やエネルギーを持続可能な方法で管理し、無駄なく効率的に活用していく必要がありますが、現状のままを続けていては、今後、急速に難しくなっていくことが予測されています。

SDGs12に掲げられている目標は、民族や国籍を問わず、地球に暮らす全ての人々にとって無視できない重要なものです。

さらに、ネスレ ピュリナでは、2022年3月から、主力製品のねこ用おやつ「モンプチ クリスピーキッス」大袋製品24品目の外袋をプラスチックから紙パッケージに順次変更しています。
この紙パッケージは、雑がみ類として古紙回収に回してリサイクルすることが可能な素材です。

SDGs12については、下記のリンクからご覧いただけます。

5-3 SDGs13『気候変動に具体的な対策を』

SDGs13『気候変動に具体的な対策を』では、目標達成に向け「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」必要性を示しています。

ネスレグローバルは、「2050 年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」という目標を掲げ、この課題に取り組んでいます。その具体的な活動として挙げられるのは、温室効果ガスの削減、エネルギーの効率化や再生可能エネルギーの導入の推進です。気候変動に対する具体的な対策を講じることで、地球環境の保護を目指してきました。

また、気候変動の影響にさらに配慮した原材料を使用して製品改良することも検討していきます。このような製品に対する消費者の需要は急速に高まりつつあり、ネスレの核となる戦略はこの変化に沿ったものです。ネスレはまた代替パッケージング材料への移行を進めています。

加えて、農業において二酸化炭素回収を増やすプロジェクトを拡大します。ネスレは土地を復元し、温室効果ガス排出を制限するため、農業従事者との協働プログラムを強化していきます。また、100%再生可能エネルギーによる電力をネスレの工場、倉庫、配送、オフィスにおいて利用します。

ネスレは企業としての社会的責任を果たすだけでなく、持続可能な将来を築くためのリーダーシップを発揮することが大切だと考えています。

SDGs13については、下記のリンクからご覧いただけます。

5-4 SDGs14『海の豊かさを守ろう』

SDGs14『海の豊かさを守ろう』の具体的な目標は、「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」ことです。

ネスレ日本で2019年から始めた「キットカット」大袋製品の外袋素材をプラスチックから紙に変更する取り組みは、2020年にはほぼすべての「キットカット」大袋製品へと拡大し、プラスチックを削減してきました。

また、2021年1月から、ネスレ 日本のヘルスケア特化カンパニー、ネスレ ヘルスサイエンスが手掛ける「アイソカル100」をはじめとする栄養補助飲料12品目の付属ストローを、従来のプラスチック製から紙製に変更しました。

2022年3月には、ペットボトル入り液体コーヒー「ネスカフェ エクセラ ボトルコーヒー」の2製品(甘さひかえめ・無糖)のラベルレスタイプを発売しました。
原材料名などの法定表示は外装箱に記載し、リサイクルマークはペットボトルにエンボス加工を施すことでラベルレス化を実現しています。
種類(甘さひかえめ、無糖)の識別は、目につきやすいキャップの表記で行い、取り出し簡単で再封機能付きの専用外箱を使用するなど、消費者のユーザビリティにも配慮した製品となっています。

今後もネスレは、環境負荷をさらに低減するための取り組みを続ける方針を推進中です。海の豊かさを将来へと引き継ぐための活動を強化し、環境保護と経済活動のバランスを長年保ち続けることに貢献したいと考えています。

SDGs14については、下記のリンクからご覧いただけます。

社会全体での取り組みでSDGsの達成に貢献

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「地球上の誰一人取り残さない」との理念を掲げ、人類が今後も地球上で暮らし続けていくために達成すべき17の目標と行動計画をまとめた「SDGs(Sustainable Development Goals)」。17の目標は、国際機関や各国政府だけでなく、企業や市民社会も含めたすべてのステークホルダーが協力して取り組むべき内容です。

特に、経済的・社会的に影響力のある企業が積極的に取り組むことで、より持続可能な将来を築くことが可能になります。ネスレも、温室効果ガスの削減や森林保護、再生農業の推進など、持続可能な社会の実現に向けた活動を推進中です。

ネスレのサステナビリティに関する取り組みは、下記のリンクからご覧いただけます。