栄養素
栄養素のはたらきや、多くふくまれる食べ物について説明します。
炭水化物は三大栄養素のひとつ。
はたらき
小学校で学習する3色食品群の「黄」。
炭水化物は、からだを動かしたり、頭を使ったりするためのエネルギー源となります。呼吸や内臓がはたらくためにも必要です。
朝ごはんを食べないとエネルギーが不足して元気がなくなったり、勉強に集中できなくなるのは、そのため。朝食を食べない子は食べる子よりも運動や勉強の成績が悪かったという調査があります。
反対に炭水化物をたくさんとりすぎているのに運動をしないとエネルギーが余って太ってしまうことも。
多く含む食べもの
パン、穀物、米、パスタ、豆類、果物やじゃがいもや根野菜など
はたらき
小学校で学習する3色食品群の「黄」。
脂質は、からだを動かすためのエネルギー源。少量で大きなエネルギーをとることができます。
魚からとれる脂質には血液をさらさらにしたり、血管の壁や細胞の膜をつくったりと良いことがたくさん。ビタミンA、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンを体内にとりいれるのを助けるはたらきもあります。
脂質自体はからだにとって必要な栄養素です。でもとりすぎには要注意。太る原因になったり、血液がどろどろになったり、血管が詰まりやすくなったりする一因となります。適量を心がけましょう。
多く含む食べもの
油・バター・マヨネーズなど。肉や魚、乳製品にも含まれます。
ミネラル(無機質)は五大栄養素のひとつ。微量栄養素。
私たちのからだに多量に必要なミネラル(必須ミネラル)は16種類あります。
ミネラル7種類(カルシウム・リン・カリウム・硫黄・塩素・ナトリウム・マグネシウム)と微量ミネラル9種類(鉄・亜鉛・銅・マンガン・クロム・ヨウ素・セレン・モリブデン・コバルト)に分類されています。
はたらき
①小学校で学習する3色食品群の「緑」
体内でさまざまな作用を促したり調整したりして、からだのはたらきを円滑にします。不足や多すぎるとからだの調子が悪くなってしまいます。
②小学校で学習する3色食品群の「赤」
私たちの骨や歯は、カルシウムが主な材料となってできています。
多く含む食べもの
体内ではつくりだすことができないため、食べものからとる必要があります。
ナトリウムは食塩、カルシウムは乳製品や小魚や大豆製品など、鉄分はレバーや緑黄色野菜、ひじきなどに多く含まれています。
ビタミンは五大栄養素のひとつ。微量栄養素。
ビタミンには、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの2つのグループがあります。
- 脂溶性ビタミン:ビタミンA 、ビタミンD 、ビタミンE、ビタミンK
- 水溶性ビタミン:ビタミンB群( B1 、 B2 、 B6 、 B12 、葉酸、ビオチンなど )、ビタミンC
はたらき
小学校で学習する3色食品群の「緑」。
ほかの栄養素のはたらきを助けたり、からだの機能を調整したりします。
多く含む食べもの
体内ではつくりだすことができないため、食べものからとる必要があります。例外としてカルシウムが骨をつくるのを助けるビタミンDは、日光を浴びると一部は皮膚でつくりだすことができます。
ビタミンB群は、豚肉や鶏肉、卵、ナッツ類に、ビタミンDはさけやさんまなどの魚やキノコ類などに、ビタミンCは緑黄色野菜や柑橘類に、ビタミンAはにんじんやかぼちゃ、オレンジ色の果物に多く含まれています。
ミネラル(無機質)のひとつ。多量ミネラル。
はたらき
カルシウムは、骨や歯の材料となり、体をつくります。これは、小学校で学習する3色食品群の「赤」の食べもののはたらきです。
カルシウムにはもうひとつ「緑」の食べもののはたらきがあり、筋肉・神経・心臓が正常に機能するためにも必要です。
多く含む食べもの
牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、小魚や缶詰のサケ、大豆製品など
ビタミンのひとつ。
はたらき
ビタミンDは、カルシウムやリンを腸から体内へ吸収するのを助けるはたらきがあります。
カルシウムとビタミンDを一緒にとるとじょうぶな骨をつくることができますので、成長期には大切なビタミンです。これは、小学校で学習する3色食品群の「緑」のはたらきです。
ビタミンDには、成長期だけでなく大人になってからも健康に役立つはたらきがたくさんあります。
多く含む食べもの
さけやさんまなどの魚やキノコ類など。日光浴をすると一部は皮膚でつくることができます。
ミネラル(無機質)のひとつ。微量ミネラル。
はたらき
食べたものから栄養を体内にとりいれやすくしたり(消化)や体内で利用する(代謝)時に多くの酵素のはたらきを助けます。
不足すると、味覚(みかく:味わう)、嗅覚(きゅうかく:匂いを嗅ぐ)、聴覚(ちょうかく:聞く力)が低下したり免疫力が落ちたりします。
多く含む食べもの
カキ(貝)、牛肉、卵、ナッツ類など
ミネラル(無機質)のひとつ。主要ミネラル。
はたらき
血圧の調節、心筋収縮(心臓の筋肉の伸び縮み)の調整などのはたらきがあります。不足すると力が入らなかったり、疲れやすくなったり、血圧が高い状態が続くなどの症状が出ます。
多く含む食べもの
コンブ、ヒジキ、緑黄色野菜、ナッツ類など
ミネラル(無機質)のひとつ。微量ミネラル
はたらき
赤血球のヘモグロビンの主成分で、酸素を肺から全身にうまく運ぶことができるのは鉄のおかげ。不足すると貧血になってしまいます。血液が赤いのは鉄が含まれているからで、血液に銅をふくむイカやカニの血液は青色です。
多く含む食べもの
レバー・腎臓・心臓などの内臓、緑黄色野菜、ヒジキ、卵黄など
食物繊維(しょくもつせんい)は、五大栄養素の次に重要な栄養素。
水に溶けない不溶性(ふようせい)食物繊維と水に溶ける水溶性(すいようせい)食物繊維の2種類があります。
はたらき
小学校で学習する3色食品群の「緑」。
私たちのからだでは消化することのできないため、便秘を予防していいうんちを出すのを助けてくれます。体内で余った脂質・糖・ナトリウムなどをうんちといっしょに外に出すはたらきもあります。生活習慣病の予防や改善にも大切です。
多く含む食べもの
豆類・野菜類・果実類・きのこ類・わかめなどの藻類など。特にさつまいも・かぼちゃ・ごぼう・たけのこ・ブロッコリー・おから・しいたけ・ひじきなどに多く含まれています。魚介類や肉類などの動物性食品にはほとんど含まれていませんので、お肉ばかり食べて野菜を食べないと不足してしまいます。
カロテンは、ニンジンやカボチャ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に含まれる成分で、体内でビタミンAに変化します。
カロテンには、橙や黄色の野菜に含まれるα-カロテン(アルファ-カロンテン)と、色の濃い野菜や果物に含まれるβ-カロチン(ベータ-カロチン)の2種類あります。
はたらき
小学校で学習する3色食品群の「緑」。
体内でビタミンAに変化し、角膜(かくまく:黒目の部分で、眼球の一番外側の部分)や皮膚(ひふ)の保護、老化予防や免疫(めんえき)の向上などの働きがあります。
多く含む食べもの
緑黄色野菜や果物に含まれています。
α-カロテン(アルファカロンテン)は、ニンジンやカボチャなどの黄色や橙色の野菜に含まれ、β-カロチン(ベータカロチン)は色の濃い野菜(緑黄色野菜)や果物に含まれています。
ビタミンのひとつ。脂溶性ビタミン。
ビタミンAには、肉や魚、乳製品に含まれているものと、緑黄色野菜や果物に含まれるβカロテン(ベータカロテン)が体内変化してできたものがあります。
はたらき
小学校で学習する3色食品群の「緑」。
ビタミンAは、角膜(かくまく:黒目の部分で、眼球の一番外側の部分)や皮膚(ひふ)の保護、免疫(めんえき)の向上などの働きがあります。
多く含む食べもの
肉類、乳製品、緑黄色野菜など多くの食品に含まれています。
ビタミンのひとつ。水溶性ビタミン。
はたらき
小学校で学習する3色食品群の「緑」。
ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助るとともに抗酸化作用をもつ栄養素で、体のダメージから細胞を守るのを助ける働きがあります。
たんぱく質(コラーゲン)をつくる際に必要です。また鉄の吸収を助けます。
多く含む食べもの
果物や野菜に多く含まれています。
ミカン、グレープフルーツなどの柑橘(かんきつ)類、イチゴ、キウイフルーツなどの果物、ピーマンやパプリカ、ブロッコリー、カリフラワー、トマトなどの野菜にも豊富です。
ミネラル(無機質)のひとつ。主要ミネラル。
はたらき
小学校で学習する3色食品群の「赤」。
リンは、カルシウムに次いで体内に多いミネラルで、カルシウムやマグネシウムとともに骨や歯の原料となります。
リンには、エネルギーをつくりだし、神経や筋肉の機能を正常に保つ、「緑」の働きもあります。
多く含む食べもの
肉や魚、牛乳・乳製品、大豆製品、加工食品に多く含まれています。
リンが多く、カルシウムが少ない食生活を続けていると骨が減ってしまいます。成長期にはカルシウムを十分とり、スナック菓子や炭酸飲料などでリンをとりすぎないように注意が必要です。
ミネラル(無機質)のひとつ。主要ミネラル。
はたらき
小学校で学習する3色食品群の「赤」。
マグネシウムは、カルシウムやリンとともに骨や歯の原料となり、体をつくります。
マグネシウムには、体内の酵素を活発にし、新陳代謝(しんちんたいしゃ)を調節したり、細胞内外のカリウムとナトリウムのバランスの調節をしたり 、カルシウムの骨からの溶出を防いだりする、「緑」のはたらきもあります。
多く含む食べもの
大豆製品、魚介類(ぎょかいるい)、海そう、木の実に多く含まれます。
マグネシウムは、魚介類や豆類に多く含まれているため、和食中心の食生活でとりやすい栄養素です。
ミネラル(無機質)のひとつ。微量ミネラル。
はたらき
小学校で学習する3色食品群の「緑」。
ヨウ素は、新陳代謝(しんちんたいしゃ)を活発にする甲状腺ホルモンの原料になります。新陳代謝は、食事からとったたんぱく質、脂肪、炭水化物などの栄養を体の組織を作るために利用したり、エネルギーにしたりすることです。
また、成長期の子どもの成長や発達を助けたり、皮膚(ひふ)やかみの毛を健康に保ったりします。
多く含む食べもの
わかめ、こんぶ、のりなどの海そうに多く含まれています。