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SDGs4『質の高い教育をみんなに』とは?日本や世界の現状と企業の取り組み事例を紹介

記事カテゴリ:[ SDGs ]

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更新日:2024/6/10

「地球上の誰一人取り残さない」との理念を掲げ、人類が今後も地球上で暮らし続けていくために達成すべき17の目標と行動計画をまとめた「SDGs(Sustainable Development Goals)」。

その4番目の目標(SDGs4)は『質の高い教育をみんなに』とされ、「すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」としています。それだけ、SDGsにおいて教育は重要視されているのです。

この記事では、教育における国内外の現状を詳しく述べ、それを踏まえて個人でできるアクションや、ネスレがどのような取り組みを行っているか紹介していきます。

SDGs4『質の高い教育をみんなに』が目指すものとは?

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SDGs4が掲げる目標は、持続可能な社会にとってなぜ重要なのでしょうか。

ターゲットでは、2030年までにすべての子どもたちが男女の区別なく無償で中学卒業程度の教育を受けられることや障がいや貧困、立場にかかわらず、誰もが分け隔てなくあらゆるレベルの教育や職業訓練にアクセスできることを目指しています。

これらを強く推し進める背景には、発展途上国を筆頭に、幼いころから労働力としてあてにされ通学できなかったり、紛争により安全に学習ができなかったり、学校や教師が不足していて近くに通える学校がなかったりするケースが多くあるからです。

学ぶ機会が失われると、就ける仕事がおのずと限られてしまい、貧困の負のスパイラルから抜け出せなくなります。

ネスレでは、独自の厳しい基準を設けて生産者や環境に配慮したコーヒー豆の生産や調達を行っており、その中には「人権と子どもの保護」も含まれています。

ネスレのサステナビリティに関する取り組みは、下記のリンクからご覧いただけます。

SDGs4のターゲット

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SDGsのターゲットとは、「誰も取り取り残さない」ことを誓ったSDGs17の目標を達成するための具体的な指標や施策のことで、全部で169あります。SDGs4『質の高い教育をみんなに』も、いくつもの具体的なターゲットが示されています。

4.12030年までに、全ての子どもが男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育および中等教育を修了できるようにする。
4.22030年までに、全ての子どもが男女の区別なく、質の高い乳幼児の発達・ケア及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。
4.32030年までに、全ての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。
4.42030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。
4.52030年までに、教育におけるジェンダー格差をなくし、障害者、先住民及び脆弱な立場にある子供など、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。
4.62030年までに、全ての若者および大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び基本的計算能力を身に付けられるようにする。
4.72030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。
4.a子供、障害およびジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、全ての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにする。
4.b2020年までに、開発途上国、特に後発開発途上国および小島嶼開発途上国、並びにアフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムなど、先進国及びその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加させる。
4.c2030年までに、開発途上国、特に後発開発途上国および小島嶼開発途上国における教員研修のための国際協力などを通じて、質の高い教員の数を大幅に増加させる。

※(表 引用)出典:4: 質の高い教育をみんなに| 外務省

これらのターゲットには、4.1.1「読解力、算数について、最低限の習熟度に達している次の子どもや若者の割合」などが言及されるなど、さらにきめ細やかなグローバル指標が設けられることもあります。

教育にまつわる世界や日本の現状

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SDGs4のさまざまなターゲットで示された内容は、総じて、世界中のジェンダーや暮らす地域、人種、障がいの有る無しに関わらず、すべての人に分け隔てなく教育を受ける機会が持てる社会を目指しています。

しかし初等教育の機会がない子どもは2021年時点で世界に約6,000万人以上おり、約6人に1人が教育を受けられません。そのうち、約3200万人はアフリカのサハラ以南に住む子どもたちで、次いで南アジアの約1300万人と地域によって偏りがあります。

また、女の子が遠い給水場所まで歩いて水汲みに行かねばらない地域もあり、性別によってさらに学習機会が奪われている現実もあります。

小中学校の教育が義務化されている日本でも残念ながら教育格差は生まれています。地域差やジェンダーの違い、世帯収入が異なることで高いレベルの教育を受けられる方とそうでない方の差は広がっていると言えるでしょう。

参考:ユニセフの主な活動分野 | 日本ユニセフ協会

3-1 世界には貧困や紛争、性差別のために学校に行けない子どもがいる

世界では、なぜ多くの子どもたちが学ぶ機会を奪われているのでしょうか。ユニセフによれば、2021年時点で学校に通っていない子どもたち(6歳~17歳)は約2億4400万人いると言われています。

そのうち、一般的に小学校へ通うはずである6歳から11歳の子どもは約6700万人、中学校へ通うはずの12歳から14歳の子どもは約5700万人、高等学校にあたる15歳から17歳の子どもは実に約1億2100万人いると言われています。

こうした子どもの割合が、世界で最も高い国々は、南スーダン(62%)、赤道ギニア(55%)、エリトリア(47%)、マリ(41%)とすべてアフリカの国々です。アフリカ以外では世界最大の人口を抱えるインドや隣国パキスタン、インドネシア、バングラデシュなどの南アジアの地域に集中しています。

幸いにも、2000年時点で世界中に約1億人いたとされる初等教育が受けられない子どもたちの数は、ユニセフを初めとする関係機関の尽力により減ってきています。日本もJICA(国際協力機構)などが協力し、校舎の建設や修繕、学校設備の環境整備などを行う「みんなの学校」プロジェクトなどを通じて支援を行っています。

ただ、アフリカや南アジアは依然として貧困に苦しむ人が多く、また、人口増加の傾向にもあります。そのため国際的支援の手が行き届かない現状があります。同時に、紛争が多い地域とも重なるため、安心して学校に行くことができない子どもたちもいます。

参考:教育 | ユニセフの主な活動分野 | 日本ユニセフ協会

3-2 日本では学習・指導方法の改善が重要

日本では、小中学校が義務教育化されており、初等教育を受けられない子どもは特別な事情を除きごく限られています。

その分、現代社会の問題を自らが主体的に取り組むべきものとして捉え、問題解決につながる探求や行動を起こす力を身につけるための教育=ESD「Education for Sustainable Development(持続可能な開発のための教育)」を重要視しています。

ESDでは、個人が学びで知識を得るだけでなく、それをもとにグループなどで話し合い協力して調査し、それらをまとめ発表を行うなどして、問題意識やアイデアを協働的に学ぶことができます。

この考え方は、2015年に示されたSDGsに先駆け、2002年に「持続可能な開発に関する世界首脳会議」にて日本が示したものです。以後、国連総会やユネスコ総会などで、国際的に取り組まれるようになりました。

ESDは、SDGs4のターゲット4.7に位置付けられている他、17の目標すべての実現につながるとも言われており、ESDの強化を目指す「ESD for 2030」決議も採択されました。

ネスレ日本では、中高生に向けて「ネスレ サステナビリティ プログラム」を無償で提供し、課題を見つける眼を養う他、主体的・共同的な学習の実践、自由に授業を組み立てる創造性の醸成に寄与しています。

学生の家庭において身近な「ネスカフェ」や「キットカット」でのネスレ日本の環境サステナビリティに関する取組みを題材にした映像やワークシートを活用しながら、楽しみながら学び、気付きを得ることができるでしょう。

プログラムの詳細は、下記のリンクからご覧いただけます。

質の高い教育を実現するため、私たちにできること

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教育と聞くと、学校や教材、教育者が揃わないとできないのではないか、個人が取り組むにはハードルが高いのではないかと考えてしまいがちです。

ですが、私たち一人ひとりができる選択肢は決して少なくありません。例えば国際機関であるユニセフやWFPなどでは個人が小額からできる寄付を常時受け付けています。

教育が置かれている今の状況を正しく把握し、家族や友人、同僚など、身近にいる方々にシェアすることで、学習の大切さを広げていくことも可能です。

他にも私たち一人ひとりができるアクションをいくつか紹介しますので見ていきましょう。

4-1 教育の現状を理解する

どのような問題や課題の解決も、まず重要なのは現状を正しく把握することです。海外や日本の教育が抱える問題点とは何かを知らなければ、何が自分にできるかも見えてきません。

テレビや新聞、インターネットのニュースなどを意識的にチェックする他、ユニセフやワールドビジョンといった子どもたちへ支援を行う国際的団体のメールマガジンに登録したり、公式SNSのアカウントをフォローしたりすることも手軽なアクションです。

日々配信されるニュースやSNSの発信から知り、心動かされたことを身近な方々にシェアすることで話し合ってみてください。ESDのように、問題意識を共有し、話し合う中で、自分に何ができるかがより明確になっていくことでしょう。

4-2 学習支援ボランティアの活動に参加する

より具体的なアクションを望む方は、教育に関するボランティアに参加するのもおすすめです。

ボランティアとひと口に言っても多種多様です。例えば、長期的な休暇を活かして海外の貧困地域で活動するボランティア団体に有償で参加することができ、その中には学習支援も含まれています。

国内にも、数多くの学習支援ボランティアがあり、自治体や社会福祉協議会などが主体となって募集していることもあります。例えば、東京都には公立学校のサポート役を登録する制度「TEPRO Supporter Bank(ティープロ サポーター バンク)」がありますので、お住まいの地域で募集しているか広報をチェックしてみるのもおすすめです。

ご自分が興味のあるテーマや、関心を寄せている子どもたちを支援できるボランティアに参加すると、より意欲的かつ継続的に参加できるでしょう。

4-3 使わない文房具や教材の寄付

米メジャーリーガーの大谷翔平選手が全国の子どもたちに野球のグローブ約6万個を寄贈し話題となりましたが、寄付は特別なことではなく、私たちにもできる身近で実効性の高いアクションのひとつです。

もし家に文房具が眠っていたら、それを寄付してみるのも一手です。児童養護施設や学校法人で文房具の寄付を受け入れている他、NPO法人でも受け付けています。未使用のものが喜ばれますが、使いかけの物を受けつける団体もあるので、寄付を贈る先に確認しましょう。

学用品だけでなく、国政協力NGOのJOICFPでは、役目を終えたランドセルをアフガニスタンに寄付し、教育の機会に恵まれない子どもたちの就学に役立てられる支援活動「思い出のランドセルギフト」を行っています。

ネスレ グローバルが取り組む教育支援事例とは?

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食品飲料のグローバル企業であるネスレと、学習する機会に恵まれない子どもたちへの教育支援は、一見すると結びつかない印象を受けるかもしれません。

ですがSDGsが叫ばれる以前より、ネスレではサステナブルな取り組みを積極的に行ってきました。そのひとつに、教育支援も含まれています。

ネスレ グローバルがサステナブルな取り組みに熱心な理由や、どのような取り組みを行ってきたのかをご紹介します。

5-1 世界最大の食品飲料メーカーが教育支援をする背景と理由

ネスレの始まりは1867年までさかのぼります。当時、ヨーロッパでは栄養不足による乳幼児の死亡率の高さが社会問題となっていました。そのような状況に心を痛めた創業者のアンリ・ネスレは、研究を重ね、安全で栄養価の高い新しい乳児用乳製品の開発に成功しました。その製造販売を担う会社がネスレです。すべての製品につけられている、親鳥がひなを見守るデザインは、創業者のそうした思いが込められています。

ゆえに、創業以来、ネスレは「食の持つ力で、現在そしてこれからの世代のすべての人々の生活の質を高めていきます」を基本姿勢としています。社会貢献すること、子どもたちの未来を守ることは、ネスレの理念のひとつです。

近年では、SDGsによりグローバル企業の社会的責任は強く求められています。ネスレでは、コーヒー豆の責任ある調達や温室効果ガスの削減などを盛り込んだ「ネスカフェ プラン2030」を初めとするさまざまな取り組みによって、SDGsの17の目標が達成できるように支援を惜しみません。

5-2 識字率を上げるためコートジボワールに53校の学校を建設

2009年から取り組んでいる「ネスレ カカオプラン」では、これまでにカカオ生産者の暮らす地域社会発展に寄与するため、水環境や道路環境の整備、学校の建設・改修、また、女性の教育をサポートするなどして児童労働のリスクを減らすことを目指して活動を続けています。

その一環として、コートジボワールに53校の学校を建設し、子どもたちの教育を支援してきました。中でも、女性の識字率を上げることは、栄養の改善や子どもの死亡率の減少、児童労働のリスクを減らす重要な要素になるため、そのための活動を継続的に提供しています。

同時に、このプロジェクトでは、より良いカカオの生産にも注力。以前は、中間業者が介入していたためにカカオの栽培環境が不透明でしたが、現在はどの生産者で生産されたカカオかを辿ることができるよう透明性の高い体制への変化を推し進めています。こうした長期間の取り組みにより、12万4千人もの生産者がより効率的にカカオを栽培できるようになった他、2021年までに病気に強い苗木を1600万本提供。森林再生のために、約66万9千本の樹木、果樹も提供しています。

「ネスレ カカオプラン」の詳細は、下記のリンクからご覧いただけます。

5-3 児童の就学の奨励を目的とする新プログラムを実施

ネスレでは、「児童労働を排除するには、認証取得や監査だけでは不十分」だと考えています。そこで、「Income accelerator program(収入向上プログラム)」として、児童の就学や生計向上に取り組む生産者に経済的インセンティブを支払うことにしました。
下記がインセンティブの支払いに該当する項目です。
①児童の就学
②収入向上が見込める生産性の高い農法の実施
③アグロフォレストリー(森林農業)の活用
④家畜の飼育など収入源の多様化

それぞれの活動ごとに生産者が成果を上げると、1軒当たり年間100スイスフラン(約1万2500円※)の報奨金が支給され、さらに4つの活動を行うと、500スイスフラン(約6万2600円※)が支払われます。これらの実現のために、ネスレでは2030年までに、13億スイスフランを投じる計画を立てています。
※2022年3月時点の為替レートによる

カカオ生産における「Income accelerator program(収入向上プログラム)」は、実現性を持って児童労働のリスクに取り組み、カカオの完全なトレーサビリティ実現を目指しています。

児童の学びが失われることは、さらなる負の連鎖を生みかねません。「世帯内の6歳から16歳のすべての子どもの就学」を推奨し報酬の対象とすることで、児童労働の排除に大きな道筋をつけることができればと、ネスレでは本プログラムに力を入れていきます。

このようにネスレでは、これまでにも教育分野の活動に力を注いできました。2009年から「ネスレ カカオプラン」を通じて、サステナビリティに投資してきたこともそのひとつです。2012年からは、非常に厳しいモニタリングと改善要請のシステムによって、約15万人の子どもが児童労働のリスクから保護されました。そして、それらの子どもが学べるように53の学校建設や改修も行っています。

このように、レジリエンス(困難に負けない力)な農業と児童労働撤廃に取り組んできた知見を活かし新たに誕生したのが「Income accelerator program(収入向上プログラム)」となります。

ネスレの「Income accelerator program(収入向上プログラム)」に関する詳細は、下記のリンクからご覧いただけます。

すべての子ども達に質の良い教育を届けよう

SDGsが掲げる、「誰も取り残さない持続可能な未来」のためには教育の充実が重要です。

世界には、まだ学ぶことができない子どもたちがたくさんいて、新型コロナウイルス感染症の世界的パンデミック以降、特にアフリカのサハラ以南地域で深刻さを増しています。

こうしたことから厳しい現状を知り、自分ごととして捉え、何かできることがないかを考えることは、負のスパイラルから抜け出す前向きな第一歩になります。

ネスレ グローバルおよびネスレ日本は、責任ある食品飲料企業としてさまざまなサステナブルな取り組みを行っています。

サステナビリティに関する取り組みは、下記のリンクからご覧いただけます。