コーヒーに含まれるポリフェノールのはたらきとは?カフェインとの違いもご紹介
更新日:2024/11/28
コーヒーにはカフェインの他にポリフェノールという成分も含まれていることをご存知でしょうか?ポリフェノールは若々しい毎日をサポートするチカラが注目されている成分です。
この記事ではコーヒーに含まれるポリフェノールのはたらきやカフェインとの違い、摂取量、コーヒーと健康の関係などについてご紹介しています。ポリフェノールについて理解を深め、生活に摂り入れるヒントを見つけてくださいね。
コーヒーに含まれるポリフェノールのはたらきとは
ポリフェノールは、植物自身が活性酸素と戦うために作り出す物質で、活性酸素と戦うチカラが強いといわれています。ポリフェノールは、若々しい毎日をサポートするチカラが注目されています。
では、さっそくポリフェノールについて、みていきましょう。より詳しいことは以下のリンクから専門家のインタビュー記事でご確認いただけます。
関連記事:コーヒーと健康インタビュー(第1回)|ネスレ日本
関連記事:コーヒーのある生活について『最近話題の「カフェイン」について解説!コーヒーの新しい知見もご紹介』|ネスレ日本
意外と多い?コーヒーのポリフェノール含有量
ポリフェノールというとコーヒーよりも赤ワインのイメージがあるかもしれませんが、実はコーヒーにもワインに追随するくらいポリフェノールが多く含まれています。下の表は飲料100g当たりのポリフェノール含有量の調査結果*から一部抜粋してまとめたものです。
*参考:Fukushima et al. Agric Food Chem. 25;57(4):1253-9 (2009)
飲料名 | 100g当たりのポリフェノール量 |
---|---|
赤ワイン | 230mg |
コーヒー | 200mg |
緑茶 | 115mg |
紅茶 | 96mg |
トマト・野菜ジュース | 69mg |
ココア | 62mg |
ウーロン茶 | 39mg |
豆乳 | 36mg |
フルーツジュース | 34mg |
麦茶 | 9mg |
Fukushima et al. Agric Food Chem. 25;57(4):1253-9 (2009)を参考に表作成
コーヒー100g当たりには200mgものポリフェノールが含まれ、赤ワインと30mgの差があるものの、緑茶に比べて約1.8倍、ココアに比べて約3.3倍です。
1日におけるポリフェノール摂取量の目安は?
理想的な1日のポリフェノール摂取量は1,000~1,500mg以上が目安といわれていますが、日本人の平均的なポリフェノール摂取量はそれより少ないという調査報告があります。
コーヒーカップ1杯分(約140ml)には280mgのポリフェノールが含まれているため、3〜4杯以上飲むと理想的なポリフェノール摂取量を摂取可能です。日々のポリフェノールを補うためにも、1日3杯のコーヒーを飲むと良いでしょう。
※コーヒーにはカフェインも含まれるため、飲みすぎにはご注意ください。
コーヒーに含まれるポリフェノールの種類
コーヒーに含まれる主なポリフェノールはクロロゲン酸類で、浅煎りや中煎り、深煎りなどの焙煎の程度によってクロロゲン酸類の量が変化するのが特徴です。他にも焙煎によってメラノイジンというポリフェノールも生じます。以下で詳しくご紹介していきます。
またポリフェノールと健康については、下記のリンクからご覧ください。
クロロゲン酸
ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸はキナ酸とコーヒー酸という物質が結合してできた化合物です。コーヒーに含まれるクロロゲン酸にはいくつか種類があり、カフェオイルキナ酸やフェルロイルキナ酸などが存在します。
メラノイジン
コーヒーに含まれるメラノイジンとは、メイラード反応と呼ばれる化学反応によって生み出される茶色の物質です。メイラード反応はカルボニル化合物とアミノ酸化合物が結合することによって起こり、食品の色や香りに関わっています。
パンを焼いた時の焼き色や香ばしい香りはメイラード反応によるものです。また醤油の茶色やビールの琥珀色にもメイラード反応が関係しています。
コーヒーポリフェノール以外にはどんなポリフェノールの種類がある?
コーヒーに多く含まれるポリフェノールはクロロゲン酸ですが、ポリフェノールにはクロロゲン酸以外にも多様な種類があります。例えば赤ワインやブルーベリーに含まれるアントシアニン、緑茶のカテキン、大豆のイソフラボン、そばのルチンです。
また独立行政法人国立健康・栄養研究所の調査*において、以下の23種類の野菜(可食部200g程度)にはカフェ酸やケルセチン、p-クマル酸、フェルラ酸などのポリフェノールを含むことが分かりました。ちなみにポリフェノール含有量が多いほど抗酸化力も高いそうです。
葉菜類:キャベツ、ほうれん草、白菜、ねぎ、レタス
根菜類:さつま芋、馬鈴薯(じゃが芋)、里芋、大根、人参、ごぼう、れんこん
茎葉類:玉ねぎ、筍
果葉類:さやまめ、かぼちゃ、きゅうり、なす、トマト、ピーマン、もやし
その他:ブロッコリー、生椎茸
*出典:竹林 純ら、厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究「抗酸化物質を含有するいわゆる健康食品の安全性・有効性に関する研究」(厚生労働科学研究成果データベース)平成21年度 総括・分担研究報告書(https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/17464)
コーヒーに含まれるポリフェノールとカフェイン
ポリフェノールは植物や果物に多く含まれる成分で約8,000種類以上も存在するともいわれている複数のポリフェノール性水酸基を分子内に持つ化合物群の総称です。ポリフェノールはカフェインと異なり、摂取上限などは示されていません。また、日本人にとってコーヒーはポリフェノールの主要な摂取源*となっていて、コーヒーを飲むことで、多くの人が意識せずにポリフェノールを摂取できています。
*参考:Fukushima et al. J Nutr Sci. 3 : e48(2014)
ポリフェノールについて詳細は、下記のリンクからご覧ください。
カフェインはコーヒー豆の他にカカオ豆や茶葉などに含まれている苦味のある成分です。苦味料の食品添加物として昔から食品や飲料などに利用されてきました。
カフェインは過剰に摂取すると健康に影響を及ぼす可能性があるため、一部の国や国際機関では安全性を考慮してカフェインの摂取上限の目安が設定されています。
例えば欧州食品安全機関(EFSA)によると、18歳から65歳の成人において1日当たり400mgまで、妊婦・授乳婦で200mgまでのカフェインの摂取は健康上問題がないとしています(一度に飲む場合は成人において200mgまで(ただし睡眠前は100mgまで))。
その他カフェインの詳細は、下記のリンクからご覧ください。
コーヒーと健康との関連
コーヒーは健康との関連が注目され、多くの研究がおこなわれている飲み物です。ネスレ日本のコーポレートサイトには、栄養・健康・ウェルネスに関するより詳しい情報が掲載されています。下記のリンクよりご確認いただけます。
関連記事:ネスレのなぜなにコーヒーインタビュー|ネスレ日本
関連記事:コーヒーと健康インタビュー|ネスレ日本
健康になるために大切なこと
健康なカラダづくりの基本は食生活や運動、睡眠を考慮した規則正しい生活習慣です。また座りっぱなしの時間が長くなりすぎないようにして活動時間を確保するのも健康になるためのポイントで、詳しくは関連記事で解説しているのでぜひご覧ください。
関連記事:座りすぎが腰痛の原因につながるかも…!オフィスでできるストレッチやクッション対策などご紹介|ネスレ日本
関連記事:座りすぎによる健康リスクや会社全体への影響は?会社でできる座りすぎ対策などご紹介|ネスレ日本
ここからは食生活や運動、睡眠のポイントについて紹介します。
食生活
食生活を整えるために、栄養バランスの取れた食事を1日3食きちんと食べるようにしましょう。また間食は栄養補給の他に気分転換としての役割を持っており、食事バランスガイドによると間食は1日200kcal*くらいが目安とされています。
コーヒーと一緒におやつを食べる場合は間食を含めた1日のエネルギー(カロリー)摂取量が多くなりすぎないように調節し、食べすぎを防ぎましょう。
*出典:おやつの意味を知りましょう|厚生労働省(https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/oneday/idea2.html)
コーヒーに合う約200kcalの間食の一例は、以下の通りです。
- あんぱん小1個
- 蒸しまんじゅう小2個
- カスタードプリン1個
- カットされたショートケーキ1/2個
※商品によってカロリーは異なります。あくまでも目安としてご参考にいただき、購入する際には、パッケージの栄養成分表示をご確認ください。
運動
健康維持のためには、適度な運動を継続することも重要です。厚生労働省のガイドラインでは1日60分以上のウォーキングもしくは同等以上の身体活動*が推奨されています。
歩数に換算した場合は1日約8,000歩以上の歩行が必要です。定期的な筋力トレーニングも身体機能の維持に役立つとされ、ガイドラインで推奨されているトレーニングの頻度は週2~3回となっています。
コーヒーと脂肪燃焼についての詳細は、下記のリンクからご覧いただけます。
関連記事:コーヒーと健康インタビュー(第4回)|ネスレ日本
関連記事:ネスレのなぜなにコーヒーインタビュー(第6回)|ネスレ日本
デスクワークが多い職場では、じっとしている時間が長くなりすぎないように少しでもカラダを動かしましょう。職場で気軽にできる運動についての詳細は、下記のリンクからご覧ください。
睡眠
睡眠は健康を保つために欠かせない要素です。厚生労働省のガイドラインでは個人差はあるものの、1日6時間以上の睡眠時間*を確保することが推奨されています。
*出典:健康づくりのための睡眠ガイド 2023|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html)
睡眠の質を高めるためには食生活の見直しや適度な運動に加えて、快適に眠れる寝室環境を整える必要もあります。朝目覚めた時にカラダが十分休まったと感じる感覚を「睡眠休養感」といいますが、睡眠休養感が低下しているケースでは何らかの病気が影響している可能性もあるため、注意が必要です。
コーヒーを取り入れた生活について
健康という観点では、コーヒーを飲むタイミングと杯数が大切なポイントになります。前述したような規則正しい生活習慣と併せて適量のコーヒーを飲むようにするのがおすすめです。
1日にどれくらいのコーヒーを飲むのがちょうど良いかは個人差があるため、ご自身に合った量を飲むようにしましょう。ネスレ日本では「3 Coffee a Day」として1日3杯のコーヒー習慣を提案しています。
3杯のうち1杯は昼食後にコーヒーを飲んでから短い昼寝を行う「コーヒーナップ」を取り入れるのもおすすめです。夕方以降はカフェインレスタイプのコーヒーが良いでしょう。気軽にできるので一度、試してみてくださいね。また健康な成人の人であれば、1日にコーヒー3~5杯程度の飲用がおすすめです。
コーヒーナップや健康との関連については、下記のリンクから詳細をご覧いただけます。
関連記事:コーヒーと健康インタビュー|ネスレ日本
関連記事:コーヒーのある生活について「コーヒーを取り入れた1日の過ごし方」|ネスレ日本
職場でコーヒーを取り入れる時は
仕事の休憩時間にコーヒーを飲む人もいると思いますが、コーヒーを飲むタイミングによっては夜の睡眠に影響する場合があります。カフェインの摂取が気になる人は夕方以降にカフェインレスコーヒーを飲むなど、カフェイン控えめにすると良いでしょう。午後の眠気対策には「コーヒーナップ」がおすすめです。
またデスクワーク時間が長い人には、座りすぎの対策としてコーヒーブレイクの習慣をとりいれることをおすすめします。こまめな休憩を取って給湯室までコーヒーを淹れに行ったり立ち上がったついでに軽い運動をしたりして、座りすぎの中断を図れるでしょう。
コーヒーブレイクの詳細については、下記のリンクからご覧いただけます。
関連記事:コーヒーブレイクを会社で取り入れる意味とは?効果的な使い方などもご紹介|ネスレ日本
関連記事:コーヒーのある生活について「コーヒーを取り入れた1日の過ごし方」|ネスレ日本
コーヒーポリフェノールの健康に関する研究報告は多くある
コーヒーに含まれているポリフェノールと健康に関する研究は、数多くおこなわれています。健康のためにポリフェノールを摂取する時は、栄養バランスを考えてさまざまな食品からポリフェノールを摂るようにすると良いでしょう。
コーヒーにはポリフェノールが豊富に含まれ、毎日のコーヒー習慣はポリフェノールの摂取につながります。1日3杯を目安に適量のコーヒーを飲む習慣をはじめませんか。
出典:健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html)