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コーヒーブレイクを会社で取り入れる意味とは?効果的な使い方などもご紹介

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更新日:2024/10/22

オフィスでデスクワークをする人は肩こりや集中力低下などで悩まれているケースも少なくないでしょう。そのような心身の不調は仕事の生産性にも関わるため、対策を取りたい人も多いのではないでしょうか?

対策のひとつに「休憩」があります。休憩などを目的として、職場にコーヒーブレイクを取り入れる会社も多くあります。この記事ではコーヒーブレイクが普及している国の事例紹介やコーヒーブレイクのメリット、コーヒーブレイクを取り入れる際の注意や効果的な使い方などをご紹介します。

コーヒーブレイクとは何?ブレイクタイムは類義語?

コーヒーブレイク(コーヒーブレーク)とは仕事や会議、勉強の途中などに挟む短い休憩時間を意味します。ちなみに英語におけるコーヒーブレイクの定義は「A short period of time in which you stop working to rest and have coffee or some other refreshment(仕事を休憩してコーヒーなどを飲むための短い時間)」です。

最近ではコーヒーを飲まない休憩時間を含めてコーヒーブレイクと呼ぶ場合もある一方で、コーヒーブレイクの類義語であるブレイクタイムには休憩時間という意味しかありません。

海外のコーヒーブレイクとは?

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ここではコーヒーブレイクの習慣があるフィンランド、スウェーデン、フランス、アメリカの例を紹介します。

2-1 フィンランド(北欧)

コーヒー消費量が世界一多いフィンランドでは「カフヴィタウコ」と呼ばれるコーヒーブレイクが、毎日の欠かせない習慣となっています。「カフヴィタウコ」はフィンランドで働く人の権利のひとつです。労働者が働きやすい環境の整備に配慮する観点から、勤務中に「カフヴィタウコ」を取る時間がフィンランド全体において法律で保証されています。

2-2 スウェーデン(北欧)

スウェーデンには「フィーカ(Fika)」と呼ばれるコーヒー文化があります。「フィーカ」とはフィンランド語でコーヒーを意味する「kaffi」をひっくり返してできたといわれ、シナモンロールやクッキーなど焼き菓子をつまみながらコーヒーを飲みつつ、周りの人と気楽な会話を楽しむことです。1日に何度も「フィーカ」を楽しむスウェーデンでは1日2回程度の「フィーカ」時間を設けている会社もあります。

2-3 フランス(ヨーロッパ)

街の至る所におしゃれなカフェがあり人々が思い思いにテラス席でコーヒーなどを楽しむ風景が知られているフランスでは、19世紀の産業革命の頃からコーヒーが多くの人に飲まれるようになったといわれており、朝食時や昼食後にコーヒーを飲む習慣があります。また、午後の仕事中にコーヒーブレイクを入れるのも定番です。

2-4 アメリカ(北米)

アメリカでコーヒーが飲まれ始めたのは20世紀の初め頃といわれており、1952年に全米コーヒー協会の広告キャンペーンにおいてコーヒーブレイクという言葉が正式に登場しています。1960年代になると全米自動車労働組合が主要自動車メーカー3社と交渉した結果、工場の従業員に12分のコーヒーブレイクが認められました。

コーヒーブレイクを日本の会社で取り入れる意味は?

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コーヒーブレイクという機会を取り入れると勤務中に短時間の休憩が取りやすくなり、以下で紹介する5つの恩恵を受けられるでしょう。

3-1 座りすぎの中断につながる

座りすぎは運動機会を損失し、心身の健康リスクや生産性の低下につながるという報告があります。* 淹れたてのコーヒーを飲むために、職場の自分の席から立ち上がると、否応なしに座りすぎを中断できてカラダを動かす機会を得られます。

*参考:Dunstan DW et al. : Nat Rev Cardiol (18) (2021), Ishii et al.: J Occup Environ Med 60(4) (2018)

仕事中でも時々立ち上がったり歩き回ったりしてカラダを少しでも動かすようにすると活動時間も増えて座りすぎ対策になるだけでなく、その場から離れて歩くことで気分転換できる点もメリットです。

3-2 座りすぎの中断で新しいアイデアが生まれるかも

長時間続けて仕事をしていると、集中力が下がったり頭がうまく回らなくなって新しいアイデアが出てこなかったりする場合もあると思います。そんな時は短いブレイクタイム(休憩)をとって座りすぎを中断し、心身をリフレッシュしてみましょう。

東京大学・滋賀県立大学・ネスレ日本株式会社が実施した調査では、ブレイクなしで作業を続けたグループよりもブレイクを取ったグループの方がアイデアの独自性において上回っていた*という結果が報告されています。

気分転換をしたい時はブレイクタイムを取ると良いアイデアが生まれるかもしれません。ブレイクタイムを手軽に取り入れる方法のひとつがコーヒーブレイクです。

*参考:休憩がアイデア生成に与える影響|日本認知心理学会

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3-3 気持ちを切り替えやすい

仕事でトラブルがあった時や疲れた時などはネガティブな気持ちになりやすく、生産性も下がってしまいがちです。そんな時にブレイクタイムを取ると気分転換ができるため、気持ちを切り替えやすくなります。気持ちが切り替わると仕事へのモチベーションが高まったり、良好な人間関係を築きやすくなったりするのがメリットです。

気持ちを切り替えるためにブレイクタイムを取る時には、リラックスしながら飲み物を飲んで一息入れられるコーヒーブレイクを取り入れるのもひとつの方法です。

3-4 共通の話題でコミュニケーションのきっかけになりやすい

他部署の人や同僚、先輩、上司などとのコミュニケーションを円滑にしたい時は、ブレイクタイムを取り入れると良いでしょう。

ブレイクタイムのひとつの手段としてコーヒーブレイクがあります。休憩タイムに自席を離れてコーヒーを淹れに行くといったコーヒーブレイクの機会があれば、異なる世代や部署の従業員と顔を合わせた時でもコーヒーという共通の話題によって気軽にコミュニケーションするきっかけが生まれやすいでしょう。

またコーヒーブレイクという機会で仕事と休憩のオン/オフを切り替えられると、仕事中とは異なる気楽なコミュニケーションが取りやすいかもしれません。

3-5 リフレッシュしたい時の小休憩になりやすい

ブレイクタイムには仕事中にリフレッシュしたい時の小休憩になりやすいというメリットもあります。

Harvard Business Reviewに発表された研究では、適切な休憩をとってリフレッシュすると生産性が高まるとされています。生産性向上のためには休憩の取り方にコツがあり、数分程度の短い休憩を定期的に取り午前中には短い休憩で午後遅めの時間帯には少し長めの休憩が効果的です。また自席で休憩するよりも、立ち上がって場所を変える方が疲労回復しやすいともいわれています。

参考:休憩の取り方で、生産性とウェルビーイングは劇的に向上する|Harvard Business Review

日本人は会社で座りすぎている?

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文部科学省スポーツ庁が紹介している研究によると平日における日本人成人の座位時間は約7時間で、調査対象(世界20カ国)の中では最長*という結果が報告されています。

*参考:日本人の座位時間は世界最長「7」時間!座りすぎが健康リスクを高める あなたは大丈夫?その対策とは・・・|スポーツ庁 Web広報マガジン


また日本におけるデスクワーカーは座位時間の割合が約63%で、立ち仕事や歩き仕事の人に比べて圧倒的に多くなっていることが報告されていますさらに休日においてはデスクワーカーだけでなく、平日に立ち仕事・力仕事をしている人も座位時間の割合が60%近くになり、仕事内容によらず座位時間の割合が多くなっています。*

*参考:Kurita et al.: BMJ Open 24;9(2) (2019)


座ったまま仕事ができる職業は便利な反面、運動機会が減ると心身の健康リスクを高める可能性もあるため、座りすぎの防止を意識して座り時間を減らしましょう。座りすぎに関する詳細は、下記のリンクからご覧いただけます。

座りすぎで生じるデメリット

さまざまな調査・研究から、座りすぎが健康リスクを高めることが分かってきています。厚生労働省が2024年1月に10年ぶりに改訂した「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」には、座位行動(座りっぱなし)に対する注意喚起が初めて含まれました。

それでは座りすぎで生じる主な3つのデメリットについて、以下で見ていきましょう。

5-1 健康リスクの増大

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」*によると、座位時間が6時間くらいから死亡リスクが上がり始め8時間を超えると死亡リスクが急上昇すると記載されています。また座りすぎによって運動の機会が減ると、さまざまな健康への悪影響が懸念されます。

*出典:健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html)

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5-2 仕事の生産性への影響

勤務中の座位時間が長いと生産性やワーク・エンゲイジメントの低下につながるという調査報告*もあります。20~30代を対象にした仕事の効率(生産性)に関する調査において、勤務中の座位時間が多い人が「最低」と回答した比率は座位時間が少ない人の1.38倍です。*

*参考:Ishii et al.: J Occup Environ Med 60(4) (2018)


また40~50代を対象にワーク・エンゲイジメントに関する調査では、座位時間が多い人に次のような結果が出ています。*

ワーク・エンゲイジメントが「低い」と回答した、座位時間が多い人の回答比率

仕事への活力

座位時間が少ない人の1.43

仕事への熱意

座位時間が少ない人の1.61

仕事への没頭

座位時間が少ない人の1.39

5-3 経済損失への影響

座位時間が長いと肩こりなど心身の不調を引き起こす可能性があります。心身の不調は労働意欲の低下や生産性の低下など仕事への支障を招くため、座りすぎが経済損失につながりかねない点も見過ごせない問題です。

例えば20~69歳の日本人ワーカーを対象に調査したプレゼンティズム(心身の不調)の実態によると1万人当たり首の痛み・肩こりがある人は528人、腰痛がある人は469人と報告されています。*それらに基づくシミュレーションでは、1人当たりの経済損失は首の痛み・肩こりで45,535円、腰痛で44,824円と推定されていて、たかが「肩こり」とはあなどれず、国家レベルの規模でみると大きな経済損失につながる可能性も示されています。*

*参考:Yoshimoto T et al.: J Occup Environ Med 62(10) (2020)

会社でブレイクを効果的に導入するアイデア

ここでは次の3つについて紹介します。

  • スタンディングでミーティングを行う
  • 休憩スペースをつくる
  • オフィスコーヒーを導入する

6-1 スタンディングでミーティングを行う

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上述したように日本人ワーカーは勤務時間中に座位時間が長い傾向にあるため、立って仕事ができる「スタンディング環境」をつくることも、座りすぎの対策として効果的です。

例えば、オフィスにスタンディングデスクを導入して立位でデスクワークができるようにする方法があります。ネスレ日本では実際に以下を取り入れて座りすぎの改善を図り、メディアでも紹介されました。

  • 立ったままでミーティングを行う
  • 立ったまま作業をする

スタンディングデスクの導入が難しい場合でも、立って作業できる機会を活用して習慣化すると良いでしょう。

6-2 休憩スペースをつくる

勤務中にブレイクタイムを設ける場合、いつも仕事をしている自席に居ながら休憩しても作業中の仕事や休憩していない同僚が気になって、十分にリフレッシュできない可能性があります。そこで職場に休憩スペースをつくり、休憩に専念できる環境の整備が大切です。

休憩スペースによってオン/オフを切り替えやすくなるため、短時間の休憩でも心身を効率的にリフレッシュできます。また休憩スペースの設置は従業員の満足度が高まり、労働意欲や生産性の向上につながるでしょう。

6-3 オフィスコーヒーを導入して、ブレイクタイムをとりやすくする

コーヒーを飲むとシャキッとするため、ブレイクタイム用にコンビニなどへ買いに行く人もいるでしょう。会社にオフィスコーヒーを導入すれば、わざわざ社外に出なくても職場の近くで休憩できるため、より効率的にブレイクできます。

またオフィスコーヒーがあると自然に人が集まってくるので、ふだんは接する機会の少ない他部署の人や役職の人とも気軽に顔を合わせてコミュニケーションを取れるでしょう。コミュニケーションの活性化は心理的安全性や生産性の向上につながります。

会社で効果的に行うコーヒーブレイクのポイント

コーヒーを飲みすぎるとカフェインの過剰摂取につながる可能性があるので注意が必要です。米国食品医薬品局(FDA)や欧州食品安全機関(EFSA)、カナダ保健省(HC)などは成人の1日当たりのカフェイン摂取量の上限として400mgを推奨しています。*

コーヒー100ml当たりには60mg程度のカフェインが含まれる**ため、140mlのレギュラーカップで飲むなら3〜5杯程度が適量です。カフェインの取りすぎを防ぐためにはカフェインレスタイプのコーヒーを取り入れるといった方法もあります。

またコーヒーブレイクへの期待はコミュニケーションによるものも大きいため、コーヒーブレイクで行う会話は仕事関係だけでなく、趣味や時事の話などの会話が広がりそうな話題なども盛り込むのもよいかもしれません。

*参考:カフェインの過剰摂取について|農林水産省
**出典:食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html)

会社内でおすすめなコーヒーブレイクのお供とは

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お菓子やスナックなどのお供があるとコーヒーをよりおいしく飲め、ほっとした気持ちにもなるでしょう。酸味のあるコーヒーにはフルーツやチーズを使ったケーキや焼き菓子、苦みやコクのあるコーヒーにはミルクや生クリームなどを使った濃厚なお菓子が相性ばっちりです。簡単に済ませるならチョコレートやクッキー、マシュマロなどが良いでしょう。

ただし、健康増進のためにはお供を食べすぎないように気をつける必要があります。健康維持には基本的に3食の栄養バランスの整った食事が大切で、お供はあくまで+αの間食と考えましょう。「食事バランスガイド」によると菓子・嗜好飲料は1日当たり200kcalまでが目安*です。1個ずつ包装されたお菓子をコーヒーのお供に選べば食べすぎの防止につながります。

*参考:実践食育ナビ|農林水産省

コーヒーブレイクタイムを活用してWell-being促進を!

仕事の合間に休憩する機会を挟み、座りすぎを防止することが心身トラブルのリスク回避や生産性の向上につながるかもしれません。ブレイクタイムとしてコーヒーブレイクを導入すると座りすぎを中断でき、効率的な気分の切り替えがしやすくなります。

他にも休憩時間に一緒にコーヒーを飲みながら会話できる機会を増やすと、社内コミュニケーションが活性化したり労働意欲が上がったりと会社全体で活気づくことも期待できます。コーヒーブレイクを活用して、ウェルビーイングな職場環境をつくっていきませんか。

座りすぎに関する詳細は、下記のリンクからご覧いただけます。