コーヒーは一日何杯までが目安?カフェインの摂取量と健康対策に注目
更新日:2024/11/28
コーヒーは身近な飲み物ですが、一日何杯までが適量なのか気になったことはありませんか?本記事では、コーヒーに含まれるカフェインに注目して、一日の摂取量の目安を解説します。併せて、コーヒーが暮らしにもたらすメリットも紹介するので、コーヒーをより楽しみたい人はぜひ参考にしてください。
コーヒーに含まれる成分とは
コーヒーの複雑で奥深い味わいは、さまざまな成分により作り出されています。まずは、コーヒーの主要成分であるカフェインとコーヒーポリフェノールについて、特徴やはたらきを知りましょう。
カフェイン
カフェインとは、コーヒー豆の他、カカオ豆や茶葉などに含まれる天然の食品成分です。アルカロイドと呼ばれる化合物で、コーヒーに苦味をもたらす成分のひとつでもあります。
カフェインは、食品に苦味を加える食品添加物として利用されることも少なくありません。市販のエナジードリンクや清涼飲料水、医薬品にも含まれることもある成分であり、私たちの身近で活躍している成分といえるでしょう。
コーヒーに含まれるカフェイン量に関する詳細は、下記のリンクからご覧いただけます。
コーヒーポリフェノール
コーヒーポリフェノールとは、クロロゲン酸類を中心としたコーヒーに含まれる成分です。そもそも、ポリフェノールは8,000種類以上もあるといわれています。ポリフェノールは植物が自ら活性酸素と戦うためにつくり出す物質であり、活性酸素と戦うチカラが強いといわれています。ポリフェノールは若々しい毎日をサポートするチカラが注目されています。
ポリフェノールは、毎日を若々しく過ごしたい人々に選ばれている成分です。中でも、身近な飲み物であるコーヒーには、コーヒーポリフェノールが豊富に含まれています。食事全体を見ても、コーヒーは日本人にとってポリフェノールの重要な摂取源となる存在です。
コーヒーポリフェノールに関する詳細は、下記のリンクからご覧いただけます。
関連記事:コーヒーに含まれるポリフェノールのはたらきとは?カフェインとの違いもご紹介|ネスレ日本
関連記事:コーヒーと健康インタビュー(第1回)|ネスレ日本
カフェインの一日の目安摂取量
カフェインは上手に摂取したい一方で、摂りすぎによる影響が気になる成分でもあります。ここからは、健康な人と、妊娠中や授乳中の人それぞれについて、一日のカフェイン摂取量の目安を見ていきましょう。
健康な人
欧州食品安全機関(EFSA、以下略)では、18歳から65歳の成人において1日当たり400mg(コーヒー約5杯に相当)までのカフェインの摂取は健康上問題がないとしています。コーヒーを5杯以上飲むと直ちに害があるわけではないので、ご安心ください。また、EFSAは、一度に摂る場合は成人において200mgまで(ただし睡眠前は100mgまで)との目安も提示しています。
日本ではカフェインの摂取量について明確な基準はありませんが、国際機関や各国の見解を元に情報が提供されています。カフェインの感受性には個人差があるため、EFSAの数値を参考に、自分に合う適量を知ってコーヒーを楽しみましょう。
妊娠中や授乳中の人
EFSAでは、妊娠中や授乳中の人について、一日約200mgまでのカフェインの摂取であれば胎児や乳児の健康に影響を与えないとの見解を示しています。
一日約200mgを超える量のカフェインを摂取すると、すぐに問題が起きるわけではないものの、カフェインの過剰摂取により胎児や乳児の成長を阻害するおそれがあります。妊娠・授乳中の人は摂りすぎに注意しましょう。
妊娠中や授乳中だからといって、カフェインを完全に絶つ必要はありませんが、摂取量に気をつけることが大切です。日本の食品安全委員会では、摂りすぎると胎児の発育に影響する可能性があるとして、妊娠中のカフェイン摂取について注意を呼びかけています。
コーヒー以外でカフェインを多く含む飲み物は?
コーヒー以外にカフェインを多く含む飲み物には、緑茶や紅茶、ウーロン茶などがあります。緑茶と紅茶、ウーロン茶の原料は、ツバキ科の「カメリアシネンシス(チャノキ)」という同じ植物です。チャノキにはカフェインが含まれているため、緑茶、紅茶、ウーロン茶もカフェインを含みますが、その量はコーヒーの6分の1〜2分の1程度です。
また、市販のエナジードリンクや飲料にもカフェインが含まれていることがあります。商品によっては、コーヒーに含まれる量以上のカフェインが入っているかもしれません。
コーヒーやお茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェイン量には差があるものの、飲みすぎはカフェインの過剰摂取につながります。カフェインの過剰摂取が気になる人は、カフェイン入り飲料全体の摂取量に注意しましょう。
一日に飲む量が気になるならカフェインレスに注目
一日に摂るカフェイン量が気になる人には、カフェインレスコーヒーがおすすめです。「コーヒー公取協規約及び同施行規則」では、カフェインを90%以上除去したコーヒーをカフェインレスコーヒーと規定しています。
カフェインレスコーヒーはカフェインの含有量が少ないため、妊婦や授乳婦にも選ばれています。健康な人でも、カフェインの摂りすぎが気になるのであれば、一日に飲むコーヒーの一部をカフェインレスに置き換えても良いでしょう。カフェインレスコーヒーを取り入れると、一般的なコーヒーだけを飲むよりも一日のカフェイン摂取量を抑えられます。
カフェインレスコーヒーに関する詳細は、下記のリンクからご覧いただけます。
参考:コーヒー公取協規約及び同施行規則|全日本コーヒー公正取引協議会
一日3杯のコーヒー習慣がおすすめ
具体的にコーヒーを何杯飲めば良いのか疑問に思う人もいるでしょう。豊かな暮らしを送るためには、「一日3杯」のコーヒー習慣がおすすめです。
日本で行われた調査で、コーヒーを一日3杯以上飲んでいる人は、人生に対する満足度が高い傾向があることが分かっています。コーヒーは、カラダや心、人とのつながりに働きかけ、ポジティブなものへ変える力がある飲み物です。コーヒーでカラダ、心、つながりが満たされると、日々の暮らしはより豊かなものになるでしょう。
さらに、朝、昼、夜と習慣的にコーヒーを飲むことで、生活リズムを整える効果も期待できます。ここからは、一日3杯のコーヒーが彩る暮らしの場面を紹介するので、ぜひ取り入れてみてください。
コーヒーで仕事のスイッチをオン
毎朝のコーヒー習慣は、頭を切り替え、仕事へのやる気を高めるスイッチになるでしょう。午前中から活動的に過ごすために、朝食後や出勤のタイミングでカフェインを含むコーヒーを1杯飲むのがおすすめです。
通勤電車に揺られて会社に到着しても、まだ眠気が残り、ぼんやりとしています。そこで、仕事を始めるまでの時間にコーヒーを飲み、気持ちを切り替えませんか?コーヒーの豊かな香りと奥深い味わいは、気持ちをすっきりさせてくれるでしょう。
コーヒーを飲んで気持ちが引き締まり、仕事モードに切り替われば、朝一番からきびきびと仕事をさばけるようになります。充実した一日にするためには、朝のスタートが肝心です。毎朝のコーヒー習慣でスイッチを入れて、一日をスムーズに始めましょう。
日中の眠気対策にはコーヒーナップ
ランチを終えていざ仕事を始めようと思った時、眠気がおそってくることはありませんか?一日を活動的に過ごすには、昼食後にもカフェインを含むコーヒーを1杯飲むのがおすすめです。午後の眠気が気になる人は、シャキッと仕事に向かえるよう、コーヒーを飲んでから短時間の昼寝をするコーヒーナップを試してみましょう。
昼寝の直前にコーヒーを飲むことで、昼寝から起きた後にシャキッとし、昼寝の効果を高められます。眠気と戦いながら仕事をしていては、生産性が上がりません。1杯のコーヒーと短時間の昼寝を取り入れて、仕事の質を向上させましょう。
コーヒーナップを試したい人向けのカフェもあります。
ネスカフェ 睡眠カフェ in 原宿 (suimin-cafe.jp)
コーヒーブレイクでコミュニケーション
仕事の合間に「ちょっとひと息入れたいな」と思ったら、コーヒーと共にブレイクタイムを取りましょう。
コーヒーを片手に同僚と語らう時間は仕事の息抜きになると同時に、大切なコミュニケーションのひと時にもなります。コーヒーの香りに包まれながらざっくばらんに話せば、同僚の意外な側面を知れるかもしれません。コーヒーブレイクから、仕事のアイデアが飛び出すこともあるでしょう。
また、座りすぎ対策にもコーヒーブレイクが有効です。いすに長時間座り続けると腰痛や肩こり、頭痛が起こりやすく、糖尿病などの健康リスクも高まることが分かっています。コーヒーを淹れるために席を立ち、座りすぎを防ぐことは、健康維持に役立つでしょう。
コーヒーブレイクに関する詳細は、下記のリンクからご覧いただけます。
喉を潤す水分補給にもコーヒーが役立つ
水分を豊富に含むコーヒーは、水分補給に役立つでしょう。水分と併せてポリフェノールを摂取できる点もコーヒーの魅力です。
脱水を防ぐためには喉が乾く前に水分を摂ることが大切ですが、仕事に集中するあまり、水分補給を忘れてしまう人もいるでしょう。しかし、コーヒーを日常的に飲む人は自然と水分を補給できていることになります。こまめな水分補給のためにも、生活にコーヒー習慣を取り入れましょう。
関連記事:コーヒーと健康インタビュー(第7回)|ネスレ日本
関連記事:ネスレのなぜなにコーヒーインタビュー(第8回)|ネスレ日本
就寝前にはカフェインレスでリラックスタイム
就寝前のリラックスタイムのお供なら、カフェインレスコーヒーに注目しましょう。カフェインレスコーヒーは、カフェインの摂取を控えながらもコーヒーの香りや味わいを楽しめる上、コーヒーポリフェノールも摂取できるのがうれしいポイントです。
厚生労働省による「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、夕方以降のカフェイン摂取を控えることを推奨しています。良質な睡眠を取るために夕方以降はカフェインを含む食品の摂取を見合わせ、コーヒーもカフェインレスのものに切り替えると良いでしょう。
カフェインがカラダに与える影響は個人差があるため、必ずしも就寝前にカフェインを摂取してはいけないわけではありません。しかし、普段からスムーズに寝つけない人は、特に夕方以降のカフェイン摂取を控えるのがおすすめです。一日の終わりをゆったりと過ごし、質の良い睡眠を確保するために、カフェインレスコーヒーを活用してみてください。
参考:睡眠対策|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html)
毎日のコーヒーを健康的に楽しもう
適正量のコーヒーはカラダや心、人のつながりにポジティブな影響を与えます。コーヒーの主要成分は、カフェインとコーヒーポリフェノールです。健康な人であれば約400mgまで、妊婦や授乳婦は約200mgまでを一日のカフェイン摂取量の目安にすると良いでしょう。
仕事モードに切り替える朝のコーヒー、同僚と楽しむコーヒーブレイク、カフェインレスコーヒーと過ごす就寝前のリラックスタイムなど、コーヒーは一日のあらゆる場面に寄り添える飲み物です。暮らしをより充実させるために、一日3杯のコーヒー習慣を取り入れてみましょう。
参考:カフェインの過剰摂取について|農林水産省(https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html)