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「沖縄コーヒープロジェクト」

国産コーヒー豆の栽培に挑む 
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「沖縄コーヒープロジェクト」に立ち上げから携わってきたネスレ日本株式会社 飲料事業本部の小原邦裕がプロジェクトに対する想いを語ります。

*記事内の情報はすべて取材時(2021 年8 月)の時点のものです。


「沖縄コーヒープロジェクト」とは?

2019 年4 月、沖縄県名護市で開始された「沖縄コーヒープロジェクト」は、ネスレとサッカー元日本代表、高原直泰さんが率いる「沖縄SV(オキナワ エスファウ)」が協業、名護市・琉球大学と連携し、沖縄で初となる大規模な国産コーヒー豆の栽培を目指しています。
沖縄県内の耕作放棄地などを活用し、これまで限定された量にとどまってきた沖縄県産のコーヒー豆の生産量を拡大することで、コーヒー豆やコーヒー製品を新たな特産品とすることにチャレンジしています。


 

一から手掛けてきたコーヒーを味わった瞬間

「コーヒーを口に含んだ瞬間、『おおっ』と思わず声が出ました。」

2021 年夏、「沖縄コーヒープロジェクト」は、コーヒー豆の収穫に初めて成功しました。ごくわずかな量でしたが、収穫できたコーヒーを試飲した瞬間を担当の小原邦裕はこんなふうに振り返ります。

「自分が一から手掛けたコーヒー豆ですから、もちろん思い入れも人一倍あります。でも その気持ちとは別に、このコーヒーは一口飲んだだけで、品質の高さがすぐにわかりました。 プロジェクト内で激しく議論をすることも時にはありましたが、結果としてこのような 素晴らしい品質のコーヒーをつくることができたことがわかって本当に嬉しかったです。」

CEO や担当役員はもちろん、社内の専門スタッフからも高い評価を受けることができ、品質への確信をさらに深めることができました。

「沖縄コーヒープロジェクト」とは

「『沖縄コーヒープロジェクト』は、沖縄初となる大規模な国産コーヒー豆の栽培を目指すとともに、沖縄県の一次産業が抱える問題解決への貢献につなげていきたいと考えています。

沖縄では温暖な気候を活かして特色あるさまざまな農産物が生産されています。ただ、すべての沖縄の農産物が県外で強い市場競争力を保持しているとはいえない状況です。沖縄は本州から地理的に距離があり、他と比べて高い輸送コスト等のハードルがあるからです。

しかし、沖縄ならではの強みを活かして、付加価値の高い農産物を生産すれば、他県との差別化を図ることができ、市場競争力を維持、向上できるはずです。コーヒー栽培はこの条件に合致します。」(小原)

コーヒーの生産国はブラジルやコロンビアなど赤道の近い国という印象が強いのですが、これまで日本でもコーヒーは栽培されていたのでしょうか。

「コーヒーベルトをご存じでしょうか?

北緯25 度から南緯25 度の間に位置するコーヒー栽培に適した地帯のことです。沖縄県はおよそ北緯24 度から28 度(本島はおよそ北緯26 度)に位置しています。実際に以前から、コーヒーを小規模栽培する個人農家の方、あるいは一部にはビジネスとしてコーヒーを栽培する農家の方もいらっしゃいました。

そこで、『沖縄コーヒープロジェクト』では沖縄県内の耕作放棄地などを活用し、これまで限定された量にとどまってきた沖縄県産のコーヒー豆の生産量を拡大することで、コーヒー豆やコーヒー製品を新たな特産品にしたいと考えたのです。」(小原)

あわせて農業就業者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地への対応など、沖縄県の一次産業における問題解決への貢献へつなげることも目指しています。

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持続可能なコーヒー栽培をサポートするネスレの「ネスカフェ プラン」

ネスレは、コーヒー生豆のサプライチェーンを継続的に改善することを目的としたプログラム「ネスカフェ プラン」に世界中で取り組んでいます。10年以上にわたって、苗木の配布や技術支援、買い付けなど、コーヒー豆の栽培から製品の製造・流通・消費まで全ての工程に関与し、持続可能なコーヒー栽培の実現をサポートしています。

「沖縄コーヒープロジェクト」もこの取り組みの一環です。ネスレは沖縄でのコーヒー栽培に適したコーヒー苗木の種の提供や、コーヒーを栽培する上で必要となる技術支援などを行い、沖縄SVはコーヒー栽培に関わる農作業に従事。沖縄県の気候・土壌に精通する琉球大学は、農学的見地からコーヒー栽培を行う上で必要となるノウハウ・情報の提供を行い、三者が協力し合ってプロジェクトを進めてきました。

そして、2021年夏、わずかながらコーヒー豆の収穫にまでこぎ着けることに成功したのです。

 

農業の未来の担い手となる高校生が「沖縄コーヒープロジェクト」に参加

2021年は新たな取り組みとして、沖縄県立北部農林高等学校(名護市)と連携したコーヒー豆の栽培もスタートしました。

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「沖縄県の農業は、農業就業者の高齢化や後継者不足という課題を抱えています。今回は高校生の皆さんと取り組みをスタートしましたが、このような将来を担う若い人たちにコーヒーの栽培の楽しさや魅力を知ってもらうことは、沖縄の一次産業のために意義のあることだと考えています。」(小原)

 

「沖縄コーヒープロジェクト」の歩みを担当者として振り返る

「沖縄コーヒープロジェクト」を立ち上げから担当してきた小原は、初めてのコーヒー豆の収穫を経て、今どんなことを感じているのでしょうか。

「いつか沖縄のコーヒーがハワイのコナコーヒーのようになることを夢見てここまでやってきました。僕たちが掲げていたのは、沖縄だけでなく日本、そして世界の問題解決にもつなげよう、というスケールの大きなビジョンです。

このプロジェクトで最も難しかったこと、それは自然との闘いです。農業は厳しい自然を相手にしなければなりません。苦労をしながら栽培をして、いざ収穫をする段階になっても、台風が直撃すればその影響を受けてしまいます。誰が悪いわけでもない、不可抗力ですが、自然の厳しさを改めて思い知らされました。

ただ、立ち上げからこのプロジェクトを担当してきて、『苦労』だとか『大変』だと感じたことがほとんどありません。これはきっと、このプロジェクトに夢と社会的意義があるからだと思います。もちろん難しさを感じたこともありましたが、ビジョンや夢があったからこそ乗り越えることができました。

もともと僕は社外へ出て行き人脈を作り、ゼロから新しいものを作り上げる仕事が好きなタイプなのですが、このプロジェクトに取り組むことで、改めてチームで一つのことを創り上げていく醍醐味を感じました。沖縄には独自の文化、習慣、常識などがありますので、プロジェクトを開始した当初はとまどいを感じたこともありましたが、今ではプロジェクトに関わる全員がお互い何でも言い合える関係にまでなりました。

また、サッカー選手、農家、大学の先生など、これまでの仕事では接することがなかった社外のさまざまな方々とこのプロジェクトで一緒に仕事ができたことは、とても良い経験になりました。さまざまな立場のいろいろな職業の方と接点を持つことで、自分の考え方にもプラスの影響をもらいましたし、視野も広げることができました。

社内、社外の本当に多くの方々のご協力をいただいて、プロジェクトをここまで進めることができました。この場をお借りして改めてお礼を申し上げます。」