ネスレは、おいしくバランスのとれた食事を現在、そしてこれからの世代の数十億の人々にもたらし続けるという目標を掲げ、この目標を達成するために「製品とポートフォリオ」、「コミュニケーションとサービス」において様々な活動を行っています。
この戦略を「Good For You戦略」といいます。
①製品とポートフォリオ
└1.製品開発へのこだわり
└2.ネスレのポートフォリオ
②コミュニケーションとサービス
└1.ポーションガイダンス
└2.栄養ガイド表示
└3.レシピ開発とコミュニケーション
ネスレは、おいしく健康的な製品やサービスをお届けすることで、消費者の皆さまお一人お一人やご家族の皆さまが、さらに健康で幸せな生活を実現できるよう支援しています。
運動不足や不健康な食生活、休養の不足、喫煙、飲酒などの生活習慣は、高血圧、脂質異常症、糖尿病などを引き起こす原因となることが知られています。日本人の主な死亡原因となっているがん、心疾患や脳卒中などの疾患も生活習慣病です。これらの生活習慣病のリスクは、エネルギーや飽和脂肪酸などの脂質、糖類、食塩の摂り過ぎによっても上昇します。また、消費者の皆さまの間で栄養と健康への関心が高まるとともに、毎日の食品の選択が、心身共に健やかな生活を維持するために非常に重要であることが、科学的研究によって次々と明らかにされています。
こうした状況の下、消費者の皆さまが賢く食品を選択するためには、明確で実用的な栄養・健康関連の情報を提供する食品表示が不可欠です。
ネスレは企業としての責任を果たすべくアクションを取っていくことをコミットメントとして掲げ、栄養情報の開示の強化、消費者の皆さまの健康的なインフォームドチョイスの推奨など、活動を強化しています。
ネスレ日本でも、製品パッケージを通して消費者の皆さまの食生活に役立つ情報を提供し、製品に対する理解を深めてもらう取り組みを進めています。
①製品とポートフォリオ
1.製品開発へのこだわり
グローバル企業であるネスレは、世界中で食品をお客様にお届けしています。しかし、味の好みは様々で、どんどん変化していきます。今、その国でお客様にとって最もおいしい食品をお届けするにはどうしたらよいのでしょうか。また、気になる栄養ニーズにはどう応えていけばよいのでしょうか。
そのために、ネスレは独自の製品開発プログラムを実施しています。味覚テストにおいてお客様から「おいしい」と評価していただくこと、また、ネスレ製品が食生活の中で果たす役割を考え、栄養面でのプラスをもたらすために、エネルギー、ナトリウム(食塩)、糖類、飽和脂肪酸などの含有量について基準を設け、全製品を対象に基準が満たされることを目指しています。
お客様の「栄養・健康・ウェルネス」を実現するため、ネスレはよりおいしく栄養的にも配慮された製品をお届けできるよう、日々努力を続けています。
2.ネスレのポートフォリオ
ネスレでは、栄養的、生理的、心理的すべてにおいて、おいしくバランスの取れた食事を提供するために、コーヒー、菓子、調味料、コーヒークリーミング、大麦加工食品、ヘルスケア、ペットケアなど、幅広いポートフォリオを展開しています。
ネスレのポートフォリオにはそれぞれ「時折の贅沢」「心の楽しみ」「毎日の良い食習慣」「専門的な栄養」という価値と役割があります。
②コミュニケーションとサービス
1.ポーションガイダンス
ネスレでは、世界中で大きな課題となっている肥満問題への取り組みとして、「ポーションガイダンス(1食分を知らせるさまざまな工夫)」という考え方を重視しています。
「健康的な1食分」を伝えることが過食の防止になると言われています。
お客さま自身が製品のサイズや頻度で適切な1食分を理解し、判断できる助けとなるよう、ネスレ日本でも、1食分がわかるパッケージのデザインやメッセージの表示(推奨する1食分の量と摂取頻度の文言)などを提供しています。
「キットカット」 裏面のポーションガイダンス
1食分の目安と1日2枚までのメッセージで適量で美味しく楽しむことを、またお子様には量を調節して与えることを推奨しています。
「キットカット」 表面のポーションガイダンス
1食分のエネルギー量を分かりやすく表示しています。
(※一部導入していない製品があります)
2.栄養ガイド表示
製品パッケージ表面で、生活習慣病のリスク上昇に関連する、脂質、飽和脂肪酸、糖類や食塩相当量といった栄養素の1食分当たりの量とそれが摂取目安に対して占める割合(%)を分かりやすく表示しています。(一部製品で導入)
製品パッケージの裏面では、栄養成分表示と連動し、さらに詳しく確認できるようデザインしました。エネルギーに加え、生活習慣病に関わる4成分(脂質、飽和脂肪酸、糖類、食塩相当量)の量と1日の摂取目安の割合(%)が一目でわかるように表示しています。(一部製品で導入)
「ネスレ ミロ オリジナル」
パッケージ表面の分かりやすい栄養表示
「キットカット」
パッケージ裏面のさらに詳しい栄養情報
3.レシピ開発とコミュニケーション
ネスレの製品を使ったおかず、ごはん、ドリンク、デザートなど、料理をつくる人、食べる人のすこやかな心とからだのためのレシピを「ネスレ バランスレシピ」で紹介しています。
これらのレシピは9つの栄養情報を表示し、管理栄養士の監修のもとエネルギー量、食塩相当量、脂質量などに配慮しています。
また、それぞれのレシピに「鉄分たっぷり」や「塩分控えめ」などの8つのこだわりアイコンを使用し、作る人のニーズに応じたレシピを展開しています。
バランスレシピはこちらから
栄養成分に関する補足説明
エネルギー(熱量)
エネルギー(熱量)とは、生命機能の維持や身体活動のため必要なエネルギー(いわゆるカロリー)のことです。脂質、たんぱく質、炭水化物がエネルギー源になります。摂取するエネルギーが消費するエネルギーを上回る状態が続くと体重が増加します。肥満が気になる大人のみならず、美容の観点からエネルギーの摂りすぎに気を配る若い女性や、エネルギーの過不足に注意が必要な子どもや高齢者など、あらゆる世代にとって大切な情報です。
脂質
脂質は三大栄養素のひとつで、体内でエネルギー源として、あるいは細胞膜を構成する成分や生理活性物質として働く、体に重要な栄養素です。日本人の食習慣の変化により、脂質の摂取量や摂取するエネルギーに占める脂質の割合は増加しており、そのことが摂取するエネルギーの過剰や肥満、生活習慣病の原因になっていることが指摘されています。
飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は脂質の主要な成分です。飽和脂肪酸を摂りすぎると、血液中の悪玉コレステロール量が増え、循環器疾患等の生活習慣病のリスク要因となる可能性があることから、WHOは摂取するエネルギーのうち、飽和脂肪酸による割合を10%未満とすることを推奨しています。
糖類
糖類は「糖質」の中で一般的に甘味のもので、単糖類(果物やはちみつなどに含まれるブドウ糖、果物に多い果糖など)と二糖類(砂糖の主成分であるショ糖、麦芽に含まれる麦芽糖など)を指します。糖類の過剰摂取は、肥満、2型糖尿病や循環器疾患等の生活習慣病のリスク増と関連し、世界中で問題視されています。厚生労働省による「日本人の食事摂取基準(2020)」では、糖類の目標量は設定されていませんが、WHOは、「成人及び子どものための糖類の摂取に関するガイドライン(2015)」にて、総摂取エネルギーの10%未満を糖類の摂取目安として推奨しています。
食塩相当量
食塩相当量は、ナトリウム(Na)量を食塩の量に換算したものです。ナトリウムはミネラルの仲間で、生命の維持に必要な微量栄養素です。しかし、摂取過剰が続くと高血圧などの原因となり、生活習慣病の心血管疾患等のリスクを高めるといわれ、また胃がんリスクとの関連も指摘されています。食塩(NaCl)として摂取することが多いので、製品パッケージでは食塩相当量として表示しています。