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松浦義英(サプライ・チェーン・マネジメント本部 カスタマーサービス部)

ダイバーシティ&インクルージョン(多様性を認め、受け入れ、活かす)は、ネスレの企業文化の主軸を成すものであり、社員が持つさまざまな才能や経験を尊重し受容する企業文化を構築することです。「社員こそが最も重要な会社の資産である」と考えるネスレでは、さまざまな部署で障がいを持つ社員が活躍しています。その一人、サプライ・チェーン・マネジメント本部の松浦義英を紹介します。

「自分の頭の中では普通に歩いているつもりなんです」と明るく話す松浦。
彼には生まれた時から足に障がいがある。原因は脳性麻痺で、母親は「この子は将来寝たきりになる」と医者に告げられていたそうだ。

現在、サプライ・チェーン・マネジメント本部 カスタマーサービス部に所属し、在宅勤務を基本として、流通顧客からの発注に関する依頼や問い合わせへの対応を担当している。当然のことだが、顧客からの注文は指定された日時に届ける必要がある。さらにそれらに関する適切なサービスや情報の提供を通じて顧客の要望に応えることは、会社の信頼にもつながる責任ある仕事だ。

今の自分があるのは、インクルーシブな環境で育ててくれた母親のおかげ

「母のおかげで今の自分があるんです」と松浦は言う。

母親は、幼い彼を寝たきりにしないために、厳しいリハビリを課していた。リハビリのことは、幼かったこともありまったく自身の記憶には残っていないそうだが、そのかいあって幼稚園の頃には普通に歩けるようになり、小学校も通常学級に通学。体育の授業も、縄跳びなどの一部運動をのぞいて同級生と一緒に取り組み、運動会にも毎年参加することができた。

「今思うと、本当にインクルーシブな環境で育ててもらうことができたと思います。母のおかげで今の自分があるんです。母とは結構オープンな話もする友達のような関係性です。障がいをもっている子どもを育てるのはすごく大変だと思いますが、本当に良い親の元に生まれてきたと思っています。」

障がいを持つ社員のコミュニティサイトを社内に立ち上げたい

「良い職場に恵まれ、上司はもちろん社内の皆さんともコミュニケーションを取りながら良い関係を築いています」と語る松浦だが、実はネスレ日本に入社後数カ月間は苦労したこともあったそうだ。コロナ禍でチーム全員が在宅で働いていた時期もあり、なかなか他の社員と知り合うきっかけがなく、ちょっとした質問が気軽にできないことがストレスになっていたからだ。

そんな自身の経験も踏まえて、松浦は「ネスレ日本の社内に障がい者を持つ社員が参加できるコミュニティサイトを立ち上げたい」と考えていた。

「ネスレ日本の社内では、障がいを持つ社員がさまざまな部署で活躍しているのですが、障がいを持つ社員同士で気軽に交流するできる場がまだありません。社内の障がい者同士でざっくばらんにコミュニケーションできる場を作りたいと考えています。」

ネスレ日本は今、人種、性別、文化、性的指向、障がいの有無にかかわらず、社員ひとり一人の個性を尊重し、その人が持つ能力を最大限に発揮できるよう環境の整備に努めている。松浦の想いはきっとこの環境づくりを後押ししてくれることだろう。なお、障がいを持つ社員のコミュニティが社内SNSで立ち上がったのは、このインタビューから間もない2022年12月のことだった。

(記事内の情報は、2023年1月時点のものです)