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山本尚三郎(人事・総務本部 総務部)

ダイバーシティ&インクルージョン(多様性を認め、受け入れ、活かす)は、ネスレの企業文化の主軸を成すものであり、社員が持つさまざまな才能や経験を尊重し受容する企業文化を構築することです。「社員こそが最も重要な会社の資産である」と考えるネスレでは、さまざまな部署で障がいを持つ社員が活躍しています。その一人、人事・総務本部 総務部 山本尚三郎を紹介します。

39歳の時に不慮の事故で脊髄損傷という大怪我を負い、車いす生活となった山本。現在、人事・総務本部 総務部で勤怠管理や各種人事関連の申請手続きを担当している。人材を大切にするネスレの社内において、さまざまな職場のいろいろな立場の社員と関わり、滞りなく人事のプロセスを進める上で重要な仕事だ。

その山本が持つもう一つの顔、それがパラアスリートだ。

パラアーチェリーの滋賀県代表選手

「体を動かすことが小さな頃から好きでした」と話す山本。小学生から高校生まではサッカー選手として活躍し、また「スピードスケートなどのウィンタースポーツも得意」というスポーツ万能ぶりだった。社会人になってからもフットサルを休日に楽しんでいたという。

山本が初めて取り組んだパラスポーツは車椅子バスケットボールだった。
最初に所属した大阪府の45歳以上のシニア選抜チームでは、全国大会優勝を経験。その後、滋賀県のチームに参加し、控え選手ではあったが、日本選手権に参加したこともあると言う。

しかし、車いすバスケットボールはハードなスポーツ競技のため、徐々に選手としての肉体的、年齢的な限界を感じ始めることとなる。そんなに時に出会ったのが、パラアーチェリーというスポーツだ。
以来魅力に取りつかれて練習を重ね、ついには2022年の「いちご一会とちぎ国体」では銅メダルを獲得するレベルにまで成長した。

「矢を弦にかける。矢を放つ。フィニッシュした後の動き。そして、終わった後の心地よい空気感。これが好きなんです。」
得点を取る競技であるアーチェリーだが、「弓道にも通じる一連の動作、射形を大事に」していて、誰よりも「一番かっこよく」矢を放つことを常に目指しているそうだ。

次こそは金メダル

「次こそは金メダルを取りたいです。」

2022年の「いちご一会とちぎ国体」では、山本は惜しくも銅メダルに終わった。共に競った相手は、世界選手権出場選手に出場するレベルの選手だったが、試合前半は高得点で折り返していた。後半で抜かれてしまったのは、「勝ちが見えて金メダルが脳裏によぎり、気持ちが揺れたせいもある」と振り返る。

今から2年後の2025年に、「第24回全国障がい者スポーツ大会」が滋賀県で開催されることが決定した。
現在、滋賀県在住の山本は、思い入れのあるこの地元開催の大会で金メダルを獲得することを新たな目標と定めている。

「自分は今、日本身体障害者アーチェリー連盟の『男子コンパウンド部門』のランキングで7位なのですが、自己ベストである2017年の5位を超えることも目標にしています。
もちろん仕事では、定年までしっかり働きたいと思っています。パラアーチェリーでは海外の選手とも競いたいです。達成したいことがまだまだあります。」

仕事とスポーツを両立させ、これからも双方の分野でしっかりと成果や実績をあげていきたいと考えている。

(記事内の情報は、2023年1月時点のものです)