「ネスレ サステナビリティ プログラム」をご活用の先生インタビュー その2
企業事例から、答えのない問いを考えるヒントを得る
ー生徒に合わせてプログラムを自由にアレンジー
学校名 | 横浜市立義務教育学校緑園学園(神奈川県) |
先生名 | 青柳 孝志 先生(国語科) |
対象学年 | 8年生(中学2年生) |
実施時期 | 2023年12月 |
授業構成 | 2コマ構成 総合的な学習の時間:映像教材中心の授業(クラス別)+探究テーマのグループ討議、発表(学年合同) |
授業展開 | 中学1年から取り組んでいる課題解決学習の一環として「ネスレ サステナビリティ プログラム」(以下、プログラム)を活用した授業を展開。授業の進行は、各クラスの3名の生徒さんが担当 |
Q.プログラムを採用した理由を教えてください。
A まずこれまで手探りで進めてきた課題解決学習がどの程度定着しているか客観的に振り返りたかったのと、課題解決の要素として企業視点を組み込みたいというのがありました。さらに来年度に沖縄への修学旅行を予定しており、沖縄の地域課題に関心がありました。
Q.実際授業で使用していかがでしたか。
A 課題解決学習の定着について客観的に振り返ることができましたし、生徒たちは、企業視点や沖縄の地域課題という新しい知識や考え方を得ることができましたので、採用してよかったと感じています。映像教材が1コマにコンパクトにまとめられていて使いやすかったです。
Q.企業視点が加わることで生徒さんに変化はありましたか?
A 取り組もうとしている地域課題は、ごみ問題、少子高齢化、商店の減少といった大きなテーマなので、生徒たちはどう解決したらよいかについて悩んでいました。プログラムで色々な機関と携わって課題を解決するネスレの取り組みを知り、色々な人と一緒に考える、協力するのが大事だと生徒たちが気づいたことは大きな収穫でした。
Q.プログラムの後の展開について教えてください。
A 当初から地域の人(学校運営協議会)との交流の場は考えていたので、プログラムを実施したことで自然な流れで地域交流の場を設けることができました。プログラムの授業で事前に課題解決策を検討したこともあり、地域の実態の話を興味深く聞いたり、積極的に自分たちの考えを伝えたり、メモをとったりして、活発なディスカッションとなりました。プログラムを昇華することができました。
Q.この教材はどのような先生に使っていただけるでしょうか。
A 私は普段から、生徒たちが課題意識をもって授業に取り組むことを大切にしています。「①個々の生徒が課題を発見する。②その課題を解決するために必要な情報を収集する。③集めた情報を思考ツールなどで、整理・分析しながら課題の解決に向けた考えをまとめる。④考えたことを発表する。」という流れが基本です。これを個人での活動とグループの活動を行き来させながら行います。このプログラムでは、個人ワークからグループワークへの流れがスムーズに構成されているので、このような探究のサイクルに慣れていない先生や難しいと感じている先生にお勧めです。
Q.探究サイクルを実践されている先生にはいかがでしょうか。
A 私の場合は、客観的に振り返ることができ、使って良かったです。どのような教材を使う場合でも、生徒の実態に応じてプラスしたり削ったりしてアレンジすることが大事なので、このプログラムは自由度が高く使いやすかったですね。
Q.実際にどのようなアレンジをされましたか。
A 授業をするうえで、どうしたら面白くなるか、生徒にとって効果的になるかを考えました。探究学習ということもあり生徒に主体的な活動を経験させようと、授業の進行を生徒に任せました。結果的に進行役の生徒だけでなく、クラス全体で主体的に授業に参加する経験につながりました。
Q.今後、プログラムにどのようなことを期待しますか。
A 学校では、知識・技能を教えることも必要ですが、答えがない問いを考える場を提供したり、ともに話し合う時間を作ったりすることが学校の存在意義だと思います。そういう意味で「総合的な学習の時間」は大切です。このプログラムは、映像でヒントを提供し、自分の課題や取り組み方を考えさせる構成になっているのが評価ポイントです。今後も、答えを与えるのではなく、考える機会を提供してほしいと思います。