本社プレスリリース(英語)の日本語訳
ネスレS.A. CEO ローラン・フレックスは以下のようにコメントしました。
「マクロ経済と消費者の不確実性が高まる中、ネスレは2.8%の売上のオーガニックグロースを達成しました。実質内部成長率は0.7%、プライシングが2.1%でした。成長は幅広い市場とカテゴリーにわたるもので、市場シェアも多くの事業、特にビリオネアブランド(売上10億スイスフラン以上のブランド)において改善の傾向を示しました。
戦略の実行においてさらなる進展がありました。ネスレの‘Fuel for Growth’(成長のための燃料)のコスト削減計画は順調に進んでおり、業績の加速を後押しする原資を提供しています。第1四半期は、ネスレの中核事業への投資を強化し、「ネスカフェ エスプレッソベース」などの大型新製品イノベーションの展開において消費者の支持を得ることができました。また業績不振の事業分野の最大セルのいくつかで歓迎すべき改善の兆候が見られました。私たちは組織全体で連携と集中を促進するための変革を進めており、ゾーン ヨーロッパの構造の調整および研究開発力の強化のための対策を講じています。
第1四半期の業績は私たちの期待に応えるものであり、2025年通年の見通しに変更はありません。これは現在の関税の直接的な影響とネスレの適応力に対する自らの評価に基づいたものです。消費者や顧客、また通貨 や原材料価格への間接的な影響は現時点では不明です。全体としては、リスクと不確実性の高まりで動きの激しい状況が続くでしょう。ネスレの27万7,000人の献身的な従業員は私たちの戦略を成功裏に実行することに集中しています。効率化を進め、私たちのカテゴリーを加速させ、市場シェアを伸ばすため、成長に投資していくのです。」
売上実績概要
グループ 事業合計 | ゾーン 南北アメリカ | ゾーン AOA | ゾーン ヨーロッパ | ネスレ ヘルス サイエンス | ネスプレッソ | ネスレ ウォーターズ ・ プレミアム飲料 | その他 事業 | |
売上 2025年第1四半期 (100万スイスフラン) | 22 601 | 8 639 | 5 539 | 4 353 | 1 593 | 1 595 | 809 | 73 |
売上 2024年第1四半期(100万スイスフラン)* | 22 092 | 8 639 | 5 344 | 4 248 | 1 511 | 1 503 | 779 | 68 |
実質内部成長率(RIG) | 0.7% | 0.1% | 0.7% | - 0.6% | 4.8% | 2.6% | 1.6% | 3.9% |
プライシング | 2.1% | 1.7% | 2.4% | 3.0% | - 0.7% | 3.2% | 2.0% | 2.5% |
オーガニックグロース | 2.8% | 1.9% | 3.1% | 2.4% | 4.2% | 5.7% | 3.6% | 6.4% |
買収・売却 | 0.1% | 0.1% | 0.0% | - 0.1% | 0.1% | 0.4% | 0.0% | 0.0% |
為替変動 | - 0.5% | - 2.0% | 0.6% | 0.2% | 1.1% | - 0.1% | 0.2% | 0.9% |
売上伸長率 | 2.3% | 0.0% | 3.6% | 2.5% | 5.4% | 6.1% | 3.9% | 7.4% |
*2024年の数字は、2025年1月1日付でゾーン 北アメリカとゾーン ラテンアメリカがゾーン南北アメリカとして統合されたこと、ゾーン グレーターチャイナがゾーンAOAの一部となったこと、ネスレ ウォーターズ・プレミアム飲料がグローバル管理の事業になったことにより変更されています。
財務ハイライト
- 不確実な環境下で広範囲にわたるオーガニックグロースを達成
- 売上のオーガニックグロースは2.8%で、実質内部成長率は0.7%、プライシングが2.1%。
- コーヒーおよびココアの原材料費高騰に対応するため価格改定を実行したが、顧客サイドの混乱は限定的。これは中期的に消費者への浸透を維持しつつ原材料費高騰の影響を回収するための措置。
- 実質内部成長率は消費者および顧客が価格上昇に適応するための短期的影響を反映。
事業運営と戦略の進捗
- カテゴリーの成長促進および市場シェア改善のための戦略の進捗は順調
- 中核を強化するために投資。ビリオネアブランドの市場シェアの勢いは上向き。
- 大型新製品の展開は順調。「ネスカフェ エスプレッソベース」、Gourmet ピラミッド型キャットフードには幸先の良い消費者の反応。最近ではラテンアメリカとAOAでチョコレートビスケットを新発売。
- 業績不振の18の主要な事業セルの取り組みは引き続き進行中で、すでに改善の兆候。
- カテゴリーにわたる幅広い成長を推進する事業運営
- オーガニックグロースが最も高かったのは菓子(8.9%)とコーヒー(5.1%)で、プライシングがけん引し、一部の市場で二桁の増加。
- ペットケアのオーガニックグロース(1.6%)は実質内部成長主導で、特に米国における市場の軟調を反映。しかしほとんどの市場で市場シェアは引き続き伸長。
- ネスレ ヘルスサイエンスのオーガニックグロースは好不調混在した業績を反映して4.2%に減速。
- 効果的な計画実行の支援のため組織をさらに簡素化
- 2024年の迅速な動きの後、連携および集中のためさらなる組織変革を推進。
- ゾーン ヨーロッパにおける組織の調整、および研究開発能力の強化をはじめ、重複の排除とイノベーション加速の施策を継続。
- ‘Fuel for Growth’(成長のための燃料)のコスト削減プログラムは計画通り進捗
- 2025年に7億スイスフランのコスト削減を実現する予定。これまでは主に調達コスト削減がけん引。
2025年の見通しは変更なし
- 現在の関税の直接的な影響とネスレの適応力に対する自らの評価に基づき、2025年の見通しは変更なし。
- 売上のオーガニックグロースは2024年と比較して改善の見込み。成長計画を引き続き達成するにつれて年間を通じて伸長すると予想。
- 基礎となる資産ベースの営業利益率は、成長のための投資をしつつ16.0%またはそれ以上になると予想。
- 全体としては、リスクと不確実性の高まりで動きの激しい状況が続く見込み。