ネスレ S.A. 2020年第1四半期の売上、および新型コロナウイルスの影響について報告
新型コロナウイルス感染拡大による危機が私たち全員の生活に及ぼす影響は甚大で広範囲なものとなっています。パンデミックが始まった直後からネスレは各現地の当局やビジネスパートナーと密接に協働してこの試練に立ち向かってきました。私たちの最優先事項は次の3点です:従業員の健康とウェルビーイングを守ること、消費者のニーズに応えるために事業を継続すること、そして地域での救援活動を通じて世界中のコミュニティを支援することです。
この難局において、ネスレの多くのビジネスパートナーは厳しい試練に直面しており、彼らの社員や家族は先の見通しの立たない状況に置かれています。私たちは信頼されるビジネスパートナーであり続け、刻々と変化する状況に対応するためにできる限りの努力をしていきます。
大きく影響を受けている家庭外及び業務用製品の顧客に対しては、彼らがこの危機を乗り越え、ビジネスを再スタートできるよう、迅速で実際的な支援を提供しています。例えば“Always open for You”(いつでも相談にのります)という取り組みのもと、支払い期限の延長やコーヒーマシンのレンタル料回収の保留、また製品の無償提供等を行っています。この取り組みは総額5億スイスフラン規模のものになると予想しています。
乳製品のサプライチェーンでの取り組み例もあります。ネスレは世界で20万以上の酪農家と直接に協働しています。乳製品は日持ちがしません。そして多くの酪農家は今深刻な需要の崩壊に直面しています。彼らが生活を維持できるよう、ネスレは合意した量を買い取ることを確約し、実行しています。
このパンデミックが始まった当初から、ネスレが事業を展開する187の国々で、信頼できる雇用者、ビジネスパートナーであると同時に信頼できる隣人、市民であるべく様々な取り組みを行ってきました。私たちのコミットメントは確固として揺るぎないものです。
第1四半期、ネスレは引き続き粘り強さを発揮しました。
- オーガニックグロースは4.3%で内訳は実質内部成長率4.7%、プライシング-0.4%。南北アメリカとゾーンEMENAの勢いが成長を下支え。ゾーンAOAの売上は大きく下落。
- 売上は6.2%減の208億スイスフラン(2019年第1四半期:222億スイスフラン)。事業買収と売却の相殺で4.7%、為替変動は5.8%、それぞれ売上にマイナスの影響。
- ポートフォリオ管理は予定通りに進行中。米国のアイスクリーム事業の40 億米ドルでのFroneriへの売却は2020年1月31日に完了。Herta 食肉加工品事業の株式60%のCasa Tarradellasへの売却は2020年上半期には完了の見通し。
- ネスレは中国でのYinluのピーナッツミルクと缶入り粥事業について、売却も含めた戦略的選択肢の検討に入ることを決定。Yinluの「ネスカフェ」液体コーヒー事業についてはネスレが保持、育成の予定。
- 新型コロナの全体的な影響を評価するのは時期尚早であることから、当面は当初の2020年通年見通しを維持。オーガニックグロースと基礎となる資産ベースの営業利益率は引き続き向上の見込み。為替変動を除いた基礎となる資産ベースでの一株当たり利益と資本効率は高まる見通し。
ネスレCEOマーク・シュナイダーのコメント:
新型コロナウイルスによる危機は強烈な、そして時に悲劇的な形で私たち全員の生活に打撃を与え続けています。影響を受けられている全ての方々にお見舞いを申し上げるとともに、大切な人を失われた方々には心からのお悔やみを申し上げます。
今この時、ネスレには特別な責任があります。私たちの食品飲料製品は、人々の健康維持、安らぎの提供、そして回復支援に役立ちます。
ネスレ従業員、特に最前線で働く従業員たちは事業を継続することと消費者のニーズに応えることに対し、並外れたコミットメントを示してくれています。世界中の人々に日々食品飲料を届けるため、私たちは最善を尽くし続けます。
多彩な製品ポートフォリオと187か国での力強い事業展開を踏まえ、ネスレは第1四半期、粘り強さを示しました。しかしながら、この危機は終息には程遠く、今後の四半期も多くの不確実性に直面するでしょう。私たちは変わりゆく消費者ニーズとグローバルサプライチェーンにおける課題にすばやく対応し続けます。信頼できる雇用者、ビジネスパートナーとしてコミットしたことは実行していきます。良き市民、信頼される隣人として特に社会で最も弱い立場にある人々への支援を続けます。過去154年間、ネスレはいくつもの試練を乗り越えてきました。私たちは確信しています-パンデミックとそれが引き起こす諸問題と戦っている全ての人々とともに-私たちは今回も乗り越えていきます。
日本に関して:
ゾーン アジア・オセアニア・サハラ以南アフリカ(AOA)
- オーガニックグロース-4.6%: 実質内部成長率-4.6%; プライシング0.0%。
- 日本とオセアニアは一桁台前半のオーガニックグロースでした。 実質内部成長率は堅調でしたがマイナスのプライシングに一部相殺されました。
日本とオセアニアは一桁台前半の成長率でした。オセアニアではすべての製品カテゴリー、特にピュリナペットケア、菓子、「ネスカフェ」が力強く成長しました。「キットカット」がインバウンド旅行客減少の影響を受け、日本の売上は減少しました。
2020 年の見通し:
新型コロナウイルスの全体的な影響を評価するのは時期尚早であることから、当面は当初の2020年通年見通しを維持します。オーガニックグロースと基礎となる資産ベースの営業利益率は引き続き改善の見込み。為替変動を除いた基礎となる資産ベースでの一株当たり利益と資本効率は高まる見通しです。