2023年1月1日
ネスレ日本株式会社 2023年 年頭所感
ネスレ日本株式会社
代表取締役 社長 兼 CEO
深谷 龍彦
2023年の新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。
また、旧年中は格別のご支援、お引き立てを賜り、心より御礼申し上げます。
世界および日本経済は、依然として非常に不透明かつ不安定な状況が継続し、歴史的な円安、原材料、エネルギーコストの高騰など、厳しい外部環境にさらされています。加えて、気候変動リスクがより一層注目され、企業はサステナビリティを高めるために、 先んじて様々な対応策を講じることが必要となっています。
弊社におきましても、変わりゆく外部環境がもたらす新しい現実に対する対応やサステナビリティへの取り組みを益々強化してまいります。
ネスレグローバルとしては、様々なサステナビリティのコミュニティに対する取り組みを加速してまいりました。
その一環として、昨年、カカオ生産における児童労働のリスクに取り組む新たな活動を開始しました。この中核をなすのは革新的な収入向上プログラムであり、カカオ農家の生計向上、児童の就学の奨励を目的として、再生農業の実践とジェンダー平等を推進しています。ネスレは、カカオのサステナビリティへの取り組みを拡大するため、現在の年間投資額の3倍以上となる総額13億スイスフランを2030年までに投資する計画です。
ネスレ最大のコーヒーブランドであり、世界中で愛飲されているコーヒーの一つである「ネスカフェ」では、コーヒー栽培をさらに持続可能なものとする包括的な計画「ネスカフェ プラン2030」を昨秋に発表しました。コーヒー生産者と協力して、生産者の再生農業への移行を支援するとともに、「ネスカフェ プラン」の下で過去10年間にわたって行ってきた取り組みを加速させます。「ネスカフェ プラン2030」に10億スイスフラン以上を2030年までに投資する予定です。
日本においては、2019年から「ネスカフェ 沖縄コーヒープロジェクト」を立ち上げています。これは、沖縄県内の耕作放棄地などを活用し、これまで限定された量にとどまってきた沖縄県産のコーヒー豆の生産量を拡大し新たな特産品とするとともに、農業就業者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地への対応など、沖縄県の一次産業における問題解決を目指す取り組みです。まだまだ越えなければいけないチャレンジがたくさんありますが、プロジェクトに関わるさまざまなステークホルダーとともに取り組んでまいります。
また、ネスレは、2030年までに温室効果ガス(GHG)排出量を半減、2050年までに実質排出量ゼロを達成することをコミットメントとして掲げています。日本では昨年、霞ケ浦工場(茨城県)での再生可能エネルギー由来の電力の購入を開始し、姫路工場(兵庫県)においては、購入電力の100%を再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えを行いました。2025年までに国内全3工場での購入電力を100%再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えることを目指しています。
ネスレ日本は今年、創業110周年を迎えます。ネスレは、節目を迎えても変わらずGood food, Good lifeカンパニーとして、食の持つ力で、現在そしてこれからの世代のすべての人々の生活の質を高めてまいります。そのために、社会や経済の変化やそのスピード、お客様の期待やニーズに対し、サステナビリティを高め、お客様やペット、コミュニティや社会、そして環境にとってプラスの価値を創造してまいります。
本年の活動に変わらぬご支援をお願い申し上げますとともに、皆様のご繁栄とご健勝をお祈り申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。