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ネスレのCEOが水資源の貴重さを強調

ネスレのCEOが水資源の貴重さを強調
「世界規模の食糧危機を回避するために水資源が貴重」とストックホルム水協会主催の世界水週間で強調

ブルケCEOは世界規模の食糧危機を回避するために水そのものにもっと価値が与えられるべきだと強調しました。スウェーデン・スットクホルムで行われた本年の「世界水週間」のスピーチで、ブルケCEOは水資源の枯渇により世界は2025年までに穀物生産のおよそ3分の1が不足する危機に陥るとした最近の研究を引用しました。ブルケCEOは、事業者や市民社会、他のステークホルダーがその問題に対していっそうの責任を持たなければならないことを強調するとともに、水不足に取り組むために政府が先頭に立って、信頼できる、コスト効率のよい戦略を考案すべきであると訴えました。

最も貴重な天然資源

「価値が与えられていないものは無駄遣いされがちです。水は私たちにとって最も貴重な天然資源ですが、利用する人たちはしばしばそのインフラコストすら払おうとしません」とブルケCEO。「淡水は自然を犠牲にして大量に無駄遣いされています。世界規模の危機に陥って初めて私たちはこの問題の重要性を認識することになるのでしょうか。現在環境的に持続可能でないものは、将来には社会的にも持続可能なものではなくなるのです」と警告しました。

数十億人のための食糧

ブルケCEOは、2011年にネスレが受賞した、栄えある「ストックホルム水大賞」の受賞者の一人として「世界水週間」セミナーに参加していました。スウェーデン国王カール16世グスタフが出席したこのセミナーでは、農業が限られた水資源でどのように食糧の生産性を向上させ、増大する世界需要に対応できるのかが検証されました。ブルケCEOは、ネスレ独自の活動からいくつか例をあげ、農家の方々が水をもっと持続可能な方法で使うことができるよう、企業が担うことのできる役割を説明しました。コーヒー苗木の乾燥耐性を向上させるためにネスレが行った研究や、アジアの酪農家が取水量を減らすことができるよう、国際水管理研究所と共に取り組んだ事例が紹介されました。

大きな可能性

「私見ですが、農家の方々に水をもっと効率的に使うことを強要するのは正しいやりかたではありません。私たちは、農家の方々が納得して、より持続可能なやり方を取り入れるよう、説得しなければならないのです」とブルケCEO。「作物は、現在農業のために取水している実際の量の40パーセントから50パーセント程度しか必要としません。つまり、まだ大きな節水の可能性があるということです」。ブルケCEOは、乳製品サプライチェーンにおけるミルクのロスを削減したり、世界各地にあるネスレ工場に効果的な排水処理施設を設置したりするなど、ネスレが他の分野でどのようにして水を節約したかについて引き続き説明しました。

世界的な水資源問題

「世界水週間」にネスレはこれまで5年間にわたって参加しています。ストックホルム水協会主催のこの会議には、例年100カ国以上から、政治家や産業界首脳、NGO、研究者たちが参加しています。ブルケCEOは、6月にメキシコで行われたG20での「食糧保障タスクフォース」ミーティングでも同様の主張をしています。ブルケCEOは、他の産業界の首脳やNGO代表たちと共に、水資源の利用を改善するための方策など、2030年までに農産物の生産量と生産性を50パーセント向上させる行動に着手しました。