温室効果ガス排出量実質ゼロのプレッジ(約束)から1年
8月、気候変動に関する政府間パネルで、気候危機が深刻化していることが確認されました。約束だけでは十分ではありません。早急な行動を大規模に起こす必要があることが、かつてないほどに明確になりました。
ロードマップの発表から1年の間に、ネスレは新たなフォレストポジティブ戦略を立ち上げ、今後5年間にわたる12億スイスフランの再生農業への投資を開始し、4ブランドでカーボンニュートラルを達成しました。
ネスレは、生態系を守り、生物多様性を高め、農業に起因する排出量を削減する農法を導入するため、原材料を生産する農業従事者を世界的に支援しています。一部の取り組みは、農業従事者との直接的な関係を通じて実施されています。その一例が、南アフリカのGeorgeで実施しているSkimmelkrans ネットゼロカーボンエミッションプロジェクトです。このプロジェクトは、2023年までにネスレ初の温室効果ガス排出量実質ゼロ農場の実現を目指しています。また、間接的に調達する原材料については、サプライヤーと協力して取り組んでいます。事業活動で利用する電力については、2025年までに100%再生可能電力に切り替えます。
ネスレでは現在、温室効果ガス排出量のパフォーマンスを四半期毎に経営陣に報告しています。2018年以降、ネスレの各種プロジェクトを通じて400万トンの温室効果ガス排出量削減(CO2 換算)を達成しました。またネスレの各種プロジェクトを通じて、CO2換算で970万トンの温室効果ガス除去にも着手し、削減量は合計1,370万トン(CO2換算)となりました。これは、2030年までに排出量を半減するというロードマップの目標に合致するものであり、残る9年間に削減量、除去量は増加する予定です。
ネスレの『Net Zero Roadmap』:www.nestle.com/net-zero
南アフリカのSkimmelkransにおけるネットゼロカーボンエミッションプロジェクト
変化を支持
転換点となる2021年も、ネスレは温室効果ガス排出量を迅速かつ持続的に削減するために、意欲的な各国政府の政策や民間部門のリーダーシップを引き続き支持しました。その例として以下があります。
- 世界経済フォーラム、We Mean Business (1)、Glasgow is our Business(2)など、各国政府が気候に関する全体的な目標を引き上げ、気温上昇1.5℃未満への抑制を実現可能なものにするためのグローバルな行動要請に参加
- 世界的な前進を政策立案者に対して訴える団体を支援するため、COP26のイベントで講演
- ネスレの温室効果ガス排出量実質ゼロの長期的な目標をフィリピンやタイなどの国において国別削減目標と連動させる、特定国に対して排出量削減の加速を求める行動要請に参加するなど、市場レベルの支持活動
訳注
(1) We Mean Business企業や投資家の温暖化対策を推進している国際機関やシンクタンク、NGO等が運営する国際的プラットフォーム
(2) Glasgow is our BusinessグラスゴーでのCOP26開催に先立ち気候変動対策を講じることを宣言する企業による国際的イニシアチブ
工場廃棄物をエネルギーに変換
「ネスカフェ」、「ネスプレッソ」の工場から出た余剰なコーヒーかすを燃料にしてバイオガス発電を行い、ミネラルウォーターHenniez のボトリング工場に熱を供給し、また地域住民に電力を提供しています。