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久下理香 (コマーシャル・ディベロップメント・チーム コンシューマー アンド マーケットプレイス インサイト部)

ダイバーシティ&インクルージョン(多様性を認め、受け入れ、活かす)は、ネスレの企業文化の主軸を成すものであり、社員が持つさまざまな才能や経験を尊重し受容する企業文化を構築することです。「社員こそが最も重要な会社の資産である」と考えるネスレでは、さまざまな部署で障がいを持つ社員が活躍しています。その一人、コマーシャル・ディベロップメント・チームの久下理香を紹介します。

久下には、感音性難聴という聴覚障がいがある。聞こえにくいだけでなく、音が歪んだり響いたりして聞こえるそうだ。

彼女が所属するのは、コマーシャル・ディベロップメント・チーム コンシューマー アンド マーケットプレイス インサイト部。生活者と市場の理解を基にブランド価値向上とビジネスの継続的成長に向けた戦略立案に貢献する部署だ。ここで久下はさまざまな市場情報を収集集約し社内にフィードバックしている。

「外見からだけではわからない」障がいを持つということ

久下は3歳の時に突然、耳が聞こえづらくなったそうだ。原因は不明でもう数十年間、人工内耳を必要とする重度の難聴が続いている。話すことはできるが、言葉をはっきり聞きとることができない。
仕事中はメールやチャットなどを駆使して、主に筆談でコミュニケーションしている。

「普通の人は、生活や仕事などで日常に関する情報を目や耳などの五感を使って手に入れますが、聴覚障害があると、情報の受け入れ口が狭まってしまいます。聴覚障害=情報障害でもあるのです。
コミュニケーションの妨げになるだけでなく、時に対人関係や社会参加に消極的になるという心理的な問題もあります。」

外見からだけでは、聴覚障害の有無はわからない。

「聴覚障害があると音で周囲の状況を判断できません。店内放送や呼びかけにも気付くことができません。銀行や病院で不在だと思われることがあります。後ろからくる車のクラクションに気付かない可能性もあります。
聴覚障がい者にも、言葉を話すようになる前に失聴した聾唖者、言葉を話せるようになった後に聞こえなくなった中途失聴者、補聴器を使えば会話ができる人などさまざまです。
コミュニケーションの手段も手話、口の動き、形を読み取る読話、筆談など、一人ひとりそれぞれの方法があります。」

ちなみに久下はまず「自分は聞こえない」ということを伝えることで、周囲と円滑なコミュニケーションができるように心がけているそうだ。

在宅勤務は3匹のペットとともに

新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行したことで、多くの企業が導入した在宅勤務。ネスレ日本は、社員の生産性の向上を目指して、2016年1月から社員自身が働く場所や時間を自由に選べる「フレキシブルワーキング制度」を全社員対象に導入していたが、コロナ禍の影響もあり、久下も在宅勤務の機会が増えている。
一般的に、在宅勤務は働き方の自由度を高めてくれるが、その反面、同じオフィス空間で作業していた環境から一変することで、コミュニケーション不足に陥るというデメリットも存在する。しかし、久下は以前からメールやチャットで周囲とコミュニケーションしていたことで、大きな支障もなく、在宅勤務に切り替えることができた。

在宅時間が増えたこともあって、以前から飼っている猫に加えて新たに子猫とワンちゃんを迎えたという久下。仕事の合間や休日にはガーデニングも楽しむようになったそうだ。3匹のペットと自宅の空間を共有しながら、公私ともに充実した日々を送っている。

(記事内の情報は、2023年1月時点のものです)