Back to all stories
3 minutes read
カフェインの覚醒作用、脳の反応速度との関係は?

よく知られたカフェインの覚醒作用、注意力や集中力の向上効果。これらの認知機能への作用はヨーロッパではヘルスクレーム(健康強調表示)が認められています1)。では、これらの作用はどうやって測定しているのでしょうか。

覚醒作用や集中力の向上は、コーヒーを1杯飲めば実感できます。実感という主観的な感覚を数値化することもできますが、認知科学の世界では、反応時間の短縮(反応速度)をもって数値化しています。聴力検査のように音が鳴った後に、あるいは画面の変化に反応してボタンを押すなどいろいろな方法が用いられています。

鍛えられたアスリートの100m走スタートでフライングぎりぎりの反応時間は100ミリ秒近くになりますが、普通の人の単純な刺激へのボタン押しには200~300ミリ秒ほどかかるといわれています。図の実験は視覚刺激の場合ですが、濃いめのコーヒー1杯分(カフェイン75mg)の摂取で約70ミリ秒ほど反応時間が短縮しました2)。カフェインにより脳の処理速度の向上があった可能性があります。

カフェインの効果は、さまざまな要因が絡む複雑な課題の処理よりも、単純な課題のほうが効果を得られやすいようです。1杯のコーヒーは頭を冴えさせてくれますが、難しい問題を解くためには日ごろの勉強こそ大事、ということでしょうか。

*1ミリ秒は1/1000秒

健康な大学生(男女、各群18名)を対象とし、摂取30分後に実施。画面に何か出たら直ちにボタンを押すテストで、カフェイン75mg摂取群で反応時間は有意に短くなった2)

図:カフェイン摂取と脳の反応時間(無作為化二重盲検試験)

 

参考文献:
1)EFSA J 2011; 9(4):2054
2)Adan A et al. Hum Psychopharmacol Clin Exp (2010)


この記事をPDFでダウンロードできます (pdf.442Kb)
こちらにも興味ありませんか?