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日本人の3人に1人が亡くなるがん、その発症には生活習慣が影響することが知られています。コーヒー摂取との関係はどこまでわかっているのでしょうか。

発がん性に関する評価を行っている国際がん研究機関(IARC)は、非常に熱い飲み物はおそらく発がん性があるが、コーヒー摂取とがん発症リスクの間には関連性を示す証拠はないという検討結果を発表しました1)

少し古い話ですが、1991年の評価ではコーヒーには発がん性の可能性がある(付記:大腸がんリスクは下がる可能性あり)とされていました。コーヒー摂取者に喫煙者が多いことはよく知られ、古い研究ではその影響をうまく排除できていなかった可能性が指摘されています。

近年数多く実施されてきた大規模疫学調査やそのメタ分析では、適度のコーヒー飲用はがん発症のリスク因子とはいえず、また肝臓がん(図)や子宮内膜がんなどの一部のがんではリスクが低下する可能性があると報告されています2)。IARCの評価はこうした研究の進展を反映した結果といえます。コーヒーは安全性についての研究がもっとも進んだ飲料のひとつ、安心してお飲みいただけます。ただし、舌をやけどするような熱すぎるホットコーヒーには気をつけてください。

*最新の評価では、大腸がんリスクとコーヒー摂取の関係は「データ不十分」とされています。

コーヒー摂取と肝がんの関係。日本人9万人を対象にしたコホート研究JPHCスタディにおいて、コーヒー摂取が多い人は肝がん発症リスクが低いことが示された3)。世界の前向きコホート研究12報告をまとめたメタ分析では、コーヒー1杯あたり15%リスクの低減が見込まれると報告された4)

図:コーヒー摂取と肝がんの関係

 

参考文献:
1)Loomis D et al. Lancet Oncol (2016)
2)国立がん研究センター
3)inoue M et al. J Natl Cancer Inst (2005)
4)Bravi F et al. Eur J Cancer Prev (2016)


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