そしてコーヒーとの関係は、どんなことがわかっているのでしょうか。
紫外線を含む太陽光を浴びることにより、ヒトの肌では光老化が起き、シミやシワが増えていきます。
紫外線はエネルギーが強く、直接的あるいは活性酸素を発生させて間接的に、細胞の遺伝子などにダメージを与えることが原因といわれています。
コーヒー豆に大量に含まれるクロロゲン酸などのポリフェノールは活性酸素を消去する力(抗酸化作用)があります。
ポリフェノールはもともとコーヒーが植物として熱帯の厳しい環境で生き残るための生体防御物質*。人はそんな自然の恵みを、コーヒーを摂取することで享受しているわけです。
日本人にとってコーヒーはポリフェノール最大の摂取源1)。またコーヒーの継続的な摂取が心血管疾患などの生活習慣病リスクの低減に役立っている可能背も注目されています2)。
では、活性酸素と関係の深い肌へのコーヒーの影響は?小規模ながら横断調査が行われ、コーヒーポリフェノール摂取の多い日本人女性はシミが少ない可能性が示されました(図)3)。研究はまだまだこれからですが、今後の発展に期待したいです。
*植物はポリフェノールが紫外線を吸収する作用も防御に活用しています。なお、この紫外線吸収作用はヒトでの効果は期待できません。
図:コーヒーポリフェノール摂取量と肌シミの関係(横断調査)3)
日本人成人女性(30-60歳)を対象に食事・飲料摂取調査と顔面画像解析を実施した。コーヒーポリフェノール(クロロゲン酸類)摂取量が多い群は、低い群よりも、紫外線シミスコアが有意に低かった(シミが少ないとスコアは低くなる)。
参考文献:
1)Fukushima Y et al. J Nutr Sci (2014)
2)Saito E et al. Am J Clin Nutr (2015)
3)Fukushima Y et al. Int J Dermatol (2015)
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