持続可能なコーヒーを実現する基盤作り
多くの人にとって、コーヒーはシンプルな毎日の習慣です。しかし、そのささやかな楽しみも当たり前に手に入るわけではありません。ネスレは、持続可能なコーヒーを実現するため、原産地から小売店までバリューチェーン全体に目を向けています。
ネスレが、コーヒーの世界的なサステナビリティ イニシアチブとして、「ネスカフェ プラン」を立ち上げたのは10年以上前のことです。その一環として、ネスレはコーヒーの栽培から工場に至るまで環境負荷の低減に取り組んでいます。
生産性と回復力(レジリエンス)の向上を目指して
私たちは、ブラジル、コロンビア、コートジボワール、ケニア、メキシコ、フィリピン、ベトナムなど、世界各地のコーヒー農家と密接に協力しています。また、良質な品種のコーヒーの苗木を農家に配布し、収穫量の回復を図る試みも行っています。2010年からは病気に強く、収穫量の多いコーヒーの苗木を農家に提供してきましたが、その数は2億3,500万本にも上ります。こうした取り組みの結果、土壌の健全性と回復力が向上し、世界で約12万ヘクタールものコーヒー農園が再生されています。
また、アプローチの一環として、作物の多様化にも取り組んでいます。生産性、回復力、品質の向上を目指しながら、メキシコ、コロンビア、エクアドル、フィリピン、タイで15種類のアラビカ種とロブスタ種の新品種を開発、発表しました。
ネスレは、2025年までに100%のコーヒーで責任ある調達を行うとコミットメントを掲げました。これは、コーヒー豆が、特定された農業グループまで遡って追跡することでき、独立した機関によって検証または認証されていることを意味します。2020年末の時点で、「ネスカフェ」のコーヒーの75%が責任ある調達が実施されており、100%を目指して今後も取り組みを強化していきたいと考えています。
環境と社会にプラスの影響をもたらすことを目指して
苗木から一杯のコーヒーになるまで、ネスレはコーヒーにあふれるほどの愛情を注いでいます。コーヒーを調達する場所、そして事業全体で、炭素排出量の削減を目指しています。コーヒーのパッケージ素材もこうした取り組みの一つで、2025年までに包装材料をリサイクル可能あるいはリユース可能にするというコミットメントを達成するために着実な努力を続けています。
それは一杯のコーヒーに終わらない取り組みです。レジリエントで、再生可能なコーヒー農業システムの構築を支援することであり、森林の保護と再生を支援することです。また、農業従事者の持続可能な生活を支え、人権を尊重することでもあるのです。農家から協同組合、取引業者に至るまで、自然と協調することで、目標を達成できます。
「ネスカフェ プラン」
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2億3,500万本の苗木を配布 (2010年~2020年) -
900,000以上の農業従事者に研修を実施 (2010年~2020年) -
2020年、責任ある調達をしたコーヒーは649,000トン (全体の75%)