酪農家のバイオガス自家発電を支援

ネスレのリジェネレーション(環境再生)の取り組みでは、農業従事者が利用可能な資源を活用する研修を実施します。これには家畜の排せつ物も含まれます。
牛の排せつ物をバイオガスに変換して、調理や照明に再利用できるようにするバイオガス ダイジェスターの建設を支援し、その過程で強力な温室効果ガスを削減しているのです。これはインドネシアの小規模酪農家との長期的なパートナーシップの一環で、HIVOSという組織と酪農組合が協力して行っています。
ネスレは、BIRUバイオガスプログラムを通じて、酪農家が牛の排せつ物を処理してバイオガスにする研修と支援を行っています。この研修により、牛の排せつ物の不適切な処理を防ぐことができます。むしろ、薪などに代わるエネルギー源となり、地域の近隣住民と共有することもできます。このプログラムにより、酪農場からの炭素排出量が低減しました。
東ジャワ州を含む5つの州で行われたHIVOSの調査で、バイオガス利用に多くのメリットがあることがわかりました。
- 薪(31%)、調理用LPG(17%)、灯油の使用量を削減
- 目の炎症(25%)、目の感染症(14%)、咳(18%)、呼吸障害(10%)など女性や子どもの煙による健康問題の減少
- 薪として使用される国有林の伐採量を12%から3%に削減
- 農場や家庭の庭で集めた木の薪の利用率を78%から55%に削減
- バイオ スラリー(家畜の排せつ物)から植物性、有機性の肥料を開発
- 380人の新規雇用機会の創出
出典: Biogas User Survey Program BIRU 202
長期的なパートナーシップ
東ジャワの酪農家とのパートナーシップは、1975年、ネスレが酪農組合SAE Pujonから160リットルの生乳を購入したことに始まります。このパートナーシップは45年以上に渡って拡大し、約27,000の酪農家が参加してきました。すでに8,200台のバイオガス ダイジェスターが設置され、家族経営の酪農家が自家発電できるようになりました。今後もより多くの酪農家を研修して、次の世代のために生活と環境保護を支援していきたいと考えています。