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事業活動を再び社会の中心に: 共通価値の創造フォーラム2014

Creating Shared Value Forum 2014

ビジネスは短期的な思考を排除し、その代わり株主とそして同時に社会にとっての長期的な価値を創造することに注力しなければなりませんと「ネスレ共通価値の創造(CSV)フォーラム」でブルケCEOは語りました。

「世界的な債務危機は、いろいろな意味で価値の危機なのです」とスイス・ローザーンヌにあるネスレリサーチセンターでブルケCEO。

長期的な目標のある包括的な思考と尊重に基づいた強固で明確な価値への回帰の組み合わせが、唯一の進むべき方法なのです、とブルケCEO。

スイス大統領にご臨席いただき、国連貿易開発会議と共催した、今年の「共通価値の創造」フォーラムは、事業活動を取り巻く社会の中で、産業としての新たな役割をいかにしてつくるかに焦点を当てました。

「あまりにも多くの人々と企業が短期的で利己的な目標を達成することにそそのかされ、あるいは圧力を受けてきたため、〝皆の将来〟よりも〝自社の目先〟に向けた考え方が、全体的としてありました」とブルケCEO。

「リーダーというものは事業の基本的な役割に立ち戻ることによりそれぞれの敬意を示さなければなりません。つまり、長期的な視点で社会にとって価値を創造するということです。」

成長を加速

栄養、水資源、農村・地域開発という主要分野に焦点を当てながら、いかにして持続可能な成長を加速させるかを話し合うため、行政や学界、市民社会、企業など20を超える国際的な専門家が、何百人もの参加者とともにこのフォーラムに加わりました。

企業が長期にわたり成功を収め、株主のための価値を創るためには、社会に対して価値を創造しなければならないとネスレは信じています。

ネスレは、南スーダンにある東アフリカのフェアトレードはちみつ会社「Honey Care Africa」(従業員35,000人)が、ネスレの「共通価値の大賞」に選ばれたと発表しました。

優勝と準優勝に贈られる賞金総額50万スイスフラン(約5,500万円)は、栄養と水資源、農業・地域開発などの課題への取り組みを通じて、地域のための価値を創造する革新的な事業活動に授与されます。

商業的に成り立つ養蜂家育成を支援するHoney Care Africaのマジソン・アヤ氏は次のとおり優勝の喜びを語りました。

「共通価値の創造大賞の受賞により、私たちのチームや農業従事者、アフリカの顧客の献身的な取り組みと情熱が認めらたことはすばらしいことです。それ以上に、私たちの持続可能なサプライチェーンにネスレの世界規模の資源と専門知識を利用することができることから、ネスレと長期にわたる関係を築く機会を持てたことに感動しています」

水資源

水資源についての討議の中でネスレ会長のブラベック氏は「2025年までにすべての人が本当に安全な飲用水にアクセスできるようにしなければなりません」とフォーラムで語り、少なくとも年に1億2,000万人に対して、一日でも早く改善された衛生施設を使うことができるようにすることを目標としなければなりません、と続けました。

企業として初めて国際赤十字赤新月社連盟と提携したネスレは、2006年からは農村地域の水へのアクセスを改善することに焦点を当てて協働しています。

このイベントの中で、ネスレは国際赤十字赤新月社連盟(IFRC)との長期にわたる協力関係を延長すると発表しました。今後5年にわたり500万スイスフラン(約5億5,000万円)が寄付されます。

国際赤十字赤新月社連盟とネスレは相互の専門性を享受し合っていますとブルケCEOは語りました。

「私たちは単なる慈善活動の関係から『共通価値の創造』というビジネスモデルを具体化する関係へと移行し、事業活動を取り巻くコミュニティーに対して大きな影響を永続的に与える存在になります」

国際赤十字赤新月社連盟エルハッジ・アマドゥ・シィ事務総長は、同連盟のスタッフとボランティアは、一連の危機回避や危機対応、危機からの回復について人道的な課題への取り組みを支援するにあたり、常にコミュニティーを支持していると語りました。

「水と衛生施設に関する私たちの取り組みは、その一連の中の主要な案件です。その分野で私たちはネスレと提携できて光栄です。水と衛生施設を安心して利用することができれば、肥沃な土地を手に入れることができ、より健康でより充実したクオリティ・オブ・ライフを実現できます」と事務総長。

その協働を通じて、現在ではコートジボワールのカカオコミュニティーにいる10万人の人々がきれいな飲料水と衛生施設を利用することができます。

ネスレは、水へのアクセスと衛生施設に関するプロジェクトを隣国のガーナにも広げ、国際赤十字赤新月社連盟の「世界災害報告」年鑑の製作に協賛すると発表しました。