2013年上半期:RIG(実質内部成長率)の勢いが利益を伴う成長をけん引

一覧へ神戸,9 3, 2013

  • 売上高5.3%増 452億スイスフラン(約4兆6,100億円)、オーガニックグロース4.1%
  • 上半期実質内部成長率は2.7%に上昇、3地域すべてが成長に貢献
  • 営業利益6.8%増 68億スイスフラン(約6,940億円)、営業利益率15.1%(20ベーシスポイント[bps]増)
  • マーケティング支出は60ベーシスポイント[bps]増、消費者向けマーケティング支出は為替変動を除いた実質で15%増
  • 基礎となる資産ベースでの1株当たり利益(EPS)は3.4%増、為替変動を除いた実質で7.2%増
  • 営業キャッシュフローは50億スイスフラン(約5,100億円)
  • 2013年の見通し:オーガニックグロースは約5%。為替変動を除いた実質の利益率と一株当たりの利益も改善。

ネスレCEO、ポール・ブルケ:「低成長で原材料費が減少する環境下で、上半期は売上高と最終損益両方でバランスの取れた業績を達成しました。市場における価格低下の影響を受け、オーガニックグロースは幾分落ち着いた数字となりました。これは価格重視志向である今日の消費者の期待に沿うべく原材料費の低下の恩恵を活用したためです。これにより、また当社ブランドへの大幅な投資増加と連動して、数量ベースでの成長が勢いづき、同時に営業利益率を改善することができました。この成長の勢いは下半期も続くと予想され、約5%のオーガニックグロース、為替変動を除いた利益と基礎となる資産ベースでのEPSの改善という当社の目標の通年での達成が可能となるでしょう」

2013年上半期ネスレグループ全体の業績
2013年8月8日、ヴェヴェー発

グループ売上は5.3%増の452億スイスフラン。実質内部成長率は2.7%、プライシングによる増加は1.4%であり、それらを合わせたオーガニックグロースは4.1%となりました。買収(売却分を相殺)による増加は2.1%、一方、為替の変動による影響は-0.9%でした。

  • グループの営業利益は68億スイスフランで、6.8%増でした。営業利益率は15.1%で、20bps増でした。
  • 全般的な原材料費の低減、ならびに当社の継続的な組織および経営の合理化の企業努力が功を奏し、売上原価は110bps低下しました。
  • マーケティング支出全体での60bpsの増加により、ブランドへのサポートが大幅に強化されました。消費者向けマーケティング支出は為替変動を除いた実質で15%増加しました。
  • 純利益は51億スイスフランで3.7%増、EPSは3.4%増の1.60スイスフランでした。為替変動を除いた利益と基礎となる資産ベースでのEPSは7.2%増でした。
  • 営業キャッシュフローは50憶スイスフランと堅調でした。

ビジネスレビュー

  • 先進国における消費者マインドの冷え込み、および新興市場における成長率の低下により、低調な市場環境が続いています。
  • グループ全体の地域別のオーガニックグロースは、南北アメリカで5.0%、ヨーロッパで0.6%、アジア・オセアニア・アフリカで6.3%でした。世界全体では、先進国市場における事業成長率が1.0%であった一方、新興市場の成長率は8.2%でした。当社のプライシングは、価格重視志向である今日の消費者の期待を反映しています。その結果、第2四半期は3地域すべてで実質内部成長率が加速しました。
  • 実質内部成長率は、南北アメリカで2.1%、ヨーロッパで1.5%、アジア・オセアニア・アフリカで5.0%でした。
  • ポーランドの新しいペットケア工場、中国、ベトナム、スペイン、ドイツのコーヒー工場、中国およびドミニカ共和国の乳製品工場、マレーシアの液体飲料工場、英国のミネラルウォーター工場など、将来に備えての投資を継続しています。
  • 栄養・健康・ウエルネス戦略に沿って、当社は世界的にイノベーション能力の増強をさらに進めました。ヨーロッパでは新しい飲料システムテクノロジーセンターを、米国ではチルド食品と冷凍食品に焦点を当てた新しい研究開発センターを、アジアでは粉末および液体飲料の新しい研究開発施設をオープンさせました。提携および買収により、ネスレ ヘルスサイエンスの研究、開発、製造、マーケティング能力の増強を継続しました。また食品の安全に関する研究をさらに進めるための、新しい研究所をスイスにオープンしました。

ゾーン アメリカ
売上高136億スイスフラン、オーガニックグロース5.0%、実質内部成長率1.5%;営業利益率17.8% (30bps増)。

北米と中南米が共にゾーンの成長に貢献しました。北米の成長は実質内部成長にけん引されたものでしたが、中南米の成長は当該地域の長期的なインフレを反映し、プライシングによるところが大きくなりました。

北米では、カテゴリのトレンド自体は第1四半期からおおむね変化がありませんでした。冷凍食品では、Stouffer's frozen entreesが成長し、DiGiorno pizzaがシェアを拡大しましたが、Lean Cuisineなどの栄養食品部門は引き続き縮小傾向にあります。ネスカフェおよびCoffee-Mate、菓子、またキャットフードとスナックを中心としたペットケア事業のピュリナは引き続き好調です。アイスクリームの成長は、スーパープレミアム製品によりけん引されました。Häagen Daz GelatoDiGiorno Pizzeriaなどにおける最近のイノベーションも高い評価を受けました。

中南米では、ブラジルでNescauとビスケットを中心に引き続き高いオーガニックグロースが達成されました。当該地域でのキットカットの発売が引き続き堅調な勢いを維持しました。メキシコの乳製品事業は好調でした。チリとエクアドルでも堅調な成長があり、地域全体ではペットケア事業は2桁成長を達成しました。

ゾーンの営業利益率は17.8%でした。中南米のプライシングは同地域での経費を補う形となった一方、北米では原材料費の低減が貢献しました。ゾーン全体では、経費削減への取り組みがコスト削減につながり、ブランド投資を増額することができました。

ゾーン ヨーロッパ
売上高75億スイスフラン、オーガニックグロース0.5%、実質内部成長率1.8%、営業利益率14.9%、10bps減。

価格に非常に敏感なヨーロッパの消費者に、当社は対応してまいりました。また、ブランドへの投資も増額し、市場シェアの拡大を可能にするイノベーションをサポートしました。

西ヨーロッパではネスカフェ ドルチェグストが引き続き急成長しました。ソリュブルコーヒーの成長は、ネスカフェ ゴールドブレンドネスカフェのエコパックのシェア拡大によってもたらされました。菓子は上半期好調でした。アイスクリームと冷凍食品の売上は弱含みでしたが、BuitoniWagner pizzasの販売に加速がみられた一方、ドイツではマギーの売上が回復しました。ペットケア事業では、プロプランワン ドライGourmetなどの主にプレミアムブランドにおいてピュリナの成長が続きました。国としては、高いオーガニックグロースを誇るドイツと英国が際立っていました。

中央および東ヨーロッパにおいては、ロシアで堅調な成長、チェコ・スロバキア地域で堅調な伸びがみられました。その他の市場では、消費者支出の減少により競争が激化しました。全体では、
キットカットが2桁成長を遂げ、ペットケア事業、ネスカフェ ゴールド、およびアイスクリームが大きく寄与しました。

ゾーンの営業利益率は14.9%でした。原材料費はコスト構造の改善に貢献しましたが、この期間のマーケティング投資は増大しました。

ゾーン アジア・オセアニア・アフリカ
売上高94億スイスフラン、オーガニックグロース5.0%、実質内部成長率4.0%;営業利益率19.1%、20bps増。

成長率が低い新興市場もありましたが、ゾーンでは広域的な実質内部成長率の改善を達成することができました。中国、インドネシア、マレーシア、アフリカの殆どの国々で確実な成長が続いていますが、ここ数カ月では南アジア、アフリカ中西部、中東で回復がみられます。

キットカットネスカフェドルチェグスト先進国市場の成長をけん引しました。日本の
ネスカフェ ゴールドブレント バリスタ、オーストラリアのミロも好調でした。

常温保存可能な乳製品、調理用食品という広範なカテゴリ、ミロ、ペットケア事業で勢いが回復しました。季節による変動もありましたが、菓子で堅調な成長がみられました。アイスクリームは好調でした。

ゾーンの営業利益率は19.1%でした。原材料費削減の圧力が功を奏し、ゾーンのブランドへのサポートは強化されました。

ネスレウォーターズ
売上高37億スイスフラン、オーガニックグロース2.2%、実質内部成長率1.8%;営業利益率10.0%で横ばい。

当該期間中、ネスレウォーターズの成長は改善しました。北米ヨーロッパの販促活動は、実質内部成長率の上昇をもたらしました。

多数の新興市場が2桁成長を遂げ、堅調な成長が続きました。ネスレ Pure Lifeと主力ブランドであるサンペレグリノペリエは、現地ブランドとともに引き続き好調でした。

前年比より低い実質内部成長率とプライシングにも関わらず、2012年上半期との比較ではネスレウォーターズの営業利益率は横ばいでした。これは、地理的条件およびブランドによる売上高に対する相乗効果、ならびにコスト管理を重視したことが原因でした。

ネスレニュートリション
売上高50億スイスフラン、オーガニックグロース6.5%、実質内部成長率4.3%;営業利益率20.0%、60bps減。

乳幼児向けニュートリションは上半期好調で、3地域ゾーンすべてで成長しました。アジア、オセアニア、アフリカでは2桁成長、南北アメリカでは2桁近い成長を達成しました。2桁成長を遂げた新興市場での影響力により、調製粉乳とシリアルが主に成長をけん引しました。米国も2桁成長をけん引するプレミアム部門および価格重視の部門両方で、イノベーションを取り入れた調製粉乳での成長が顕著でした。米国のパウチ製品部門での業績が好調だったことから、食品および飲料もまた、プラスに貢献しました。Wyethニュートリションは、売上高増加および収益性の両方で期待に添い、アジアを中心に上半期は堅調でした。

体重管理ビジネスは低迷が続き、再編とオンラインビジネスに新たに注目した対策を講じていますが、成果が出るまでには至っていません。

ネスレニュートリションの営業利益率は20.0%でした。予想通り、Wyethニュートリションの統合コストと体重管理ビジネスによる影響を受けました。

その他の活動
売上高60億スイスフラン、オーガニックグロース5.0%、実質内部成長率3.9%;営業利益率19.2%、60bps増。

ネスレプロフェショナルはヨーロッパでの消費減少と大規模市場のひとつである中国の失速の影響を受けて上半期は低迷したものの、プラスに推移しました。北米では成長が続き、中南米では2桁成長がみられました。飲料ソリューション事業は堅調な成長を遂げ、結果的に従来の原材料事業における価格競争を補いました。

ネスプレッソのコーヒー発売プログラムが、第2四半期における事業の急成長をもたらしました。グランクリュコーヒーの種類は19種類に増加しました。トリエステナポリの限定版が3月に発売されたことで成長にはずみがつきました。地理的な拡大やブティックのオープンに加え、これらのイノベーションにより、ネスプレッソは厳しい競争環境でもこのカテゴリの成長をけん引することができました。

ネスレ ヘルスサイエンスは、3地域すべての貢献により当該期間中、堅調な成長を遂げました。最近のPamlab社などの買収に加え、ニュートリションサイエンスパートナー社としての合弁事業が快調なスタートを切ったことで、今後の成長に対する基盤構築を続けています。米国ではBoost Nutrition Bars、ブラジルではNutren Senior、ヨーロッパ各国ではResource2.5 Compact、日本では
アイソカル・セミソリッドサポート、米国ではPrometheus Anser ADA diagnostics testsなど、広範囲にわたる画期的製品が発売されました。

2013年の見通し

上半期に改善した実質内部成長の勢いは継続することが予想され、為替変動を除いた利益と基礎となる資産ベースでのEPSの改善、および資本効率の改善により、通年で約5%のオーガニックグロースの達成を予測しています。

2013年上半期売上高および営業利益率一覧 営業利益率


2013年1~6月
売上高
(100万スイスフラン)
2013年1~6月
オーガニック
グロース(%)
営業利益マージン
2013年
1~6月(%)
2013年
同期比(*)
事業分野別
•アメリカ 13,615
(約1兆3,900億円)
+5.0 17.8 +30bps
•ヨーロッパ 7,504
(約7,700億円)
+0.5 14.9 -10bps
·アジア・オセアニア・アフリカ 9,394
(約9,600億円)
+5.0 19.1 +20bps
ネスレウォーターズ 3,668
(約3,700億円)
+2.2 10.0 0bps
ネスレニュートリション 5,005
(約5,100億円)
+6.5 20.0 -60bps
その他 5,982
(約6,100億円)
+5.0 19.2 +60bps
グループ事業合計 45,168
(約4兆6,100億円)
+4.1 15.1 +20bps
製品別
粉末・液体飲料 10,134
(約1兆300億円)
+4.7 24.0 +100bps
ミネラルウォーター 3,438
(約3,500億円)
+2.0 10.7 +10bps
乳製品・アイスクリーム 8,609
(約8,800億円)
+4.5 15.9 +80bps
ニュートリション&ヘルスケア 5,983
(約6,100億円)
+6.0 18.6 -60bps
調理済み食品・調理用食品 6,853
(約7,000億円)
-0.2 13.5 +30bps
菓子 4,611
(約4,700億円)
+4.7 12.7 -110bps
ペットケア 5,540
(約5,700億円)
+7.1 19.0 -120bps
グループ事業合計 45,168
(約4兆6,100億円)
+4.1 15.1 +20bps

(*)2012年 IAS 19改訂(福利厚生)とIFRS 11(合弁事業)の再開さらに、ネスレウォーターズが販売する水以外の飲料(主にRTDのティーとジュース)が粉末飲料と液体飲料に再分類されました。
日本円表示は次のレートによる参考額:2013年1-6月平均相場 1スイスフラン=102円