トップメッセージ

ガーナの農業従事者の人々と話をする、ネスレ会長のピーター・ブラベック-レッツマット。この農業従事者はネスレの作物品質向上プロジェクトの支援を受けてトウモロコシを生産し、納入しています。

2016年、ネスレが創業150周年を迎えるにあたり、創業者アンリ・ネスレの功績に敬意を表したいと思います。アンリ・ネスレは、子どもの命を救う乳児用シリアルの開発に成功したことを機に、会社を設立しました。ネスレは今日も引き続き、すべてのライフステージで科学に基づく栄養と健康のソリューションによって生活を向上させることを目指し、お客さまご自身やご家族のケアを支援いたします。ネスレの食品飲料事業に役立つ研究センターのネットワークに加え、ネスレ ヘルスサイエンス、ネスレスキンヘルスを通じて、お客さまの将来の栄養・健康・ウェルネスにさらに投資しています。共通価値の創造とは、優れた株主価値をもたらすと同時に、人々の栄養・健康・ウェルネスの向上を支援する企業を築くため、ネスレが事業全体でとっているアプローチです。栄養に加え、水にも重点を置いています。水はまさに食料安全保障の要であり、世界の多くの地域で水不足が極めて深刻な問題となっているからです。また、農業従事者と農村コミュニティ、小規模ベンチャー企業とサプライヤーの総合的な心身ともに健康で幸せな状態(ウェルビーイング)が、ネスレ事業の長期的な成功と本質的に関連することから、農村開発にも力を入れています。

ネスレ工場の操業と、事業展開する国やコミュニティの持続可能な成長と発展に必要な環境と社会のサステナビリティに対するコミットメントを積極的に達成しようと取り組んでいます。繁栄のためには、ネスレが奉仕し事業展開するコミュニティも繁栄する必要があり、長期的には人々の健康、健全な経済、健全な企業実績が互いに強化し合うと、ネスレは常に考えています。このためには、ネスレの社内外の人々に対する充実した研修や教育と、環境への影響を低減する技術への大規模な投資が必要になります。

ネスレは社会における立場から、機会と責任の両方を認識しています。つまり、各国法や国際規格と、『考働規範』『経営に関する諸原則』『マネジメント及びリーダーシップの基本原則』に示されるネスレ独自の価値観と原則を順守して事業を行わなければなりません。ネスレのような企業が繁栄するには、150年にわたって培った確固たる一連の原則と価値観を枠組みとした長期的な視点に立つ必要があります。ネスレの原則と価値観の基盤となるのは、尊重――すなわち、人、文化、環境、そして私たちが住む世界の未来を尊重することです。

したがって、ネスレの39のコミットメントは、単なるコンプライアンスを超えたものであり、私たちが信条とする共通の価値観に基づき、共通価値の創造における活動を築く上で基盤となるものです。2015年の主な実績としては、Nestlé needs YOUthプログラムをグローバルな取り組みに発展させたこと、人権問題に関する報告の枠組みとなる国連指導原則を導入したこと、健全な食生活と生活習慣を促進する「ネスレ ヘルシーキッズプログラム」を世界で84カ国で実施したこと、新しい『水と公衆衛生に対する人権尊重のためのネスレのガイドライン』を編集したこと、主要な材料の生産履歴管理と責任ある調達に関する目標を達成したこと、児童労働の根絶に取り組んだこと、食品ロスと廃棄削減へのコミットメントを強化したことなどがあります。この後、これらの実績について詳しく紹介します。

ロモンのネスプレッソ工場の竣工式に臨むネスレCEOのポール・ブルケ。この工場はスイス国内のネスレ生産拠点として初めて、LEED(エネルギーと環境デザインにおけるリーダーシップ)のゴールド認証を取得しました。

投資家の方々は企業の業績を財務的観点と社会的観点の双方から見て、経営陣がその2つを企業のガバナンス、戦略、経営にどのように統合しているかを評価するだろうと、また評価するはずだと私たちは考えます。現在欠けているのは、社会的、財務的価値を測定する一貫性のある方法論です。私たちは、自発的で透明性のあるサステナビリティ報告を奨励しながら、ネスレ独自の進歩と学びをもってこの重要な対話に貢献を続けます。

本報告年度はネスレだけではなく、国連、市民社会や民間部門全体にとっても重要でした。2015年9月、国連加盟国193カ国が、今から2030年までの地球規模の優先課題を定めた17の新たな「持続可能な開発目標(SDGs)」を採択しました。初めて、これらの目標は民間部門も含めたすべての関係当事者と協議しながら練り上げられ、社会における企業の建設的な役割を理解する確かな一歩となりました。ネスレでは、特に私たちが有意義な形で貢献できると考えられる分野において、ネスレ独自の共通価値の創造の課題をより幅広い開発目標と結び付けるため、一致団結して取り組みます。

ネスレはまた、CDPの6つの気候変動問題への取り組みと世界経済フォーラムのCEO気候リーダーズ・アライアンスを通じて、2015年の国連気候変動パリ会議(COP21)で採択された世界的合意に沿って、低炭素、気候変動に耐性のある経済に向かって世界を導いていく支援をします。

さらに、私たちは本報告書をもって、ネスレが企業サステナビリティリーダーシップの重要な政策の一つである、国連グローバル・コンパクト・リードの提唱メンバーとして、国連グローバル・コンパクトを支持することを改めて表明します。最も重要なのは、私たちの事業が長期的に繁栄するためには、株主の皆さま、事業展開するコミュニティ、そして社会全体に価値を届けなければならないというネスレ独自の基本的な信念が本報告書に反映されていることです。だからこそ、共通価値の創造こそがネスレの事業手法であると言えるのです。

会長 ピーター・ブラック・レッツマット CEO ポール・ブルケ
ピーター・ブラベック-レッツマット
会長
ポール・ブルケ
CEO

 

ネスレ日本 トップメッセージ

ネスレ日本株式会社 代表取締役社長兼CEO
高岡 浩三

ネスレは、世界で栄養・健康・ウェルネスのリーディング企業であり続けることを目指しています。

ネスレのスイスでの創業の原点は、栄養不足による乳幼児の死亡率の高さに心を痛めた創業者アンリ・ネスレが開発した乳児用シリアルです。おかげさまで、世界中の人々からご支持をいただき、栄養・健康・ウェルネスのリーディング企業へと成長することができました。

2016年、ネスレは創業150周年を迎えます。創業以来、株主に優れた価値を生み出すとともに、社会のために価値を創造するというネスレの基本的な戦略は変わっていません。社員が順守すべき基本的な価値観や諸原則をまとめた『ネスレの経営に関する諸原則』の中には、共通価値の創造(Creating Shared Value = CSV)が事業展開の基本であることが明記されています。

私たちネスレ日本は1913年に創業し、2013年に100周年を迎えました。ネスレ日本はCSVを推進するにあたり、さまざまなステークホルダー(顧客)の皆さまの問題を解決することを第一に考えています。現在、日本市場は成熟し、超高齢社会を迎えています。その一方で技術は目覚しい進化を遂げ、今やすべてのものがインターネットでつながるIoT(Internet of Things)時代を迎えようとしています。ネスレ日本は、このように大きく変わる環境に合わせて変化する顧客の問題を解決するため、製造業からサービス業へ大きく変わろうとしています。高品質な製品を提供することによる問題解決に加えて、ロボットや人工知能といったテクノロジーやインターネットを活用した製品、サービスやビジネスモデルによるイノベーションを通じて、製品カテゴリーや産業の垣根を越えた問題解決を推進してまいります。

これからもネスレ日本は、皆さまから信頼される栄養・健康・ウェルネス企業として、「Good Food, Good Life」のスローガンのもと、顧客の皆さまの問題に対する解決策をご提案し、喜んでいただける価値を創造できるよう全力で取り組んでまいります

高岡 浩三
ネスレ日本株式会社 代表取締役社長兼CEO