重要課題

成功している企業は、世界からどう見られているかを軽視するわけにはいきません。私たちのステークホルダーは、ネスレの事業に直接的な影響を及ぼしうる極めて具体的な関心分野を持っています。

重要課題プロセス

ネスレは正式な重要課題プロセスを採用しており、このプロセスを通じて、ネスレ事業とステークホルダーにとって最も重要な課題を特定します。詳細なコンサルティングを行った上で、独立機関が環境、社会、ガバナンスに関する関心事項をマッピングします。その結果を踏まえて、ネスレの評判、事業運営と財務に関連するリスクと機会を決定します。

評価結果を総合して、ネスレの事業が直面する重要な課題を表します。これらの課題を、ステークホルダーの関心度と事業への潜在的な影響度に照らして重要課題マトリックス(下図参照)上に配置します。

2014年にはG4報告の一環として、範囲を拡大した重要課題分析を行いました。より幅広いステークホルダーのサンプルとバリューチェーン分析を特徴としたこのプロセスによって、重要課題の採点と順位付けを前年よりさらに正確に行うことができました。また、社会的責任のある投資家の関心事項に一層の注意を払うとともに、商業的に関連する独立審査を取り入れ、事業への影響度を厳格に評価しました。

2014年の結果については、発表以来、フィードバックやご意見の収集を続けてきました。ネスレが直面する課題や事業への影響、ステークホルダーの関心に実質的な変化は特に見つかっていません。2016年の報告書に向けて重要課題プロセスの抜本的な刷新を完了させることにしており、分析結果を2年ごとに更新する予定です。

ネスレ重要課題マトリックス

ネスレ重要課題マトリックス

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19の重要な課題が、共通価値の創造の8カテゴリーの下にまとめられました。
各課題には副課題が含まれ、これらについては完全版の報告書で詳しく説明しています。

栄養
食料と栄養の確保
安全で栄養価の高い食料を、手頃な価格で十分に入手できるようにすること。
過剰栄養と低栄養
すべてのライフステージで、最適な栄養・健康・ウェルネスを支援すること。製品ポートフォリオの入れ替え、製品とサービスの開発とリノベーション、手の届く価格帯の製品を通して、過剰栄養や低栄養、関連する微量栄養素欠乏症、過体重や肥満などの状態や非伝染性疾患(NCD)などへの対応を推進すること。
母親、乳児と幼児の栄養
より良い健康とウェルビーイングのために、母親、乳児と幼児の栄養を改善すること。
責任あるマーケティング
より良い健康と環境のために、消費者にとって適切なマーケティングを行い、消費者行動を形成すること。
農村開発
動物愛護
サプライチェーンと製品検査において動物のウェルビーイングを守り、動物の健康とウェルネスを推進すること。
農村開発
持続可能な農業コミュニティを推進するため、直接的、間接的に経済活動を推進し、サプライチェーンにおける農業従事者の生活を改善すること。
女性の権利向上
バリューチェーン全体にわたって、女性が社会と経済に完全に参加できるよう女性の権利向上に努めること。
コミュニティ開発
コミュニティ開発と失業
コミュニティや社会への参画を通して人々の生活を改善し、雇用、教育と技能開発の機会を広げること。
責任ある調達
生産履歴管理
主要な原材料が確実に責任を持って栽培、加工されており、原産地を可能な限り追跡できること。
ウォーター・スチュワードシップ
上下水道や衛生設備の利用など、共有の水資源の持続可能な管理のため個人または共同で必要な活動を実施すること。
環境サステナビリティ
気候変動
温室効果ガスの排出を削減し、気候変動による悪影響の緩和(および悪影響への適応)に貢献すること。
食料廃棄
原材料の損失や食料の廃棄を避けること。消費者による消費とその後の利用、流通、製造と農業を含む。
自然資本
直接的、間接的に価値を生む生態系サービスの要因を特定し、保護すること。
資源の利用効率と廃棄
原材料の直接的、間接的な使用量を削減、廃棄物を減らし、副産物の回収、再利用またはリサイクルの機会を最大限に高め、廃棄物を適切に処分すること。
人権とコンプライアンス
企業倫理
ビジネスと職場の倫理原則を貫くこと。
食の安全
高品質の製品を保証し、バリューチェーン全体で出荷、調理と保管による健康リスクを防ぐこと。
人権
ビジネス活動、事業運営とサプライチェーンにおいて人権を尊重すること。
人材
人材
社員と良好な関係を維持し、良好な労働条件を推進すること。
安全と健康
職場における事故ゼロを目指し、安全で健康的な社員の行動を推 進すること。

 

 

ネスレ日本 重要課題

ネスレは、数年前から、グローバルな観点からネスレのビジネスとステークホルダーにとって最も重要な課題を特定し、継続的に再評価を実施しています。2015年、ネスレ日本株式会社として初めて、日本特有の課題や文脈を考慮した、ネスレ日本の重要課題の評価を実施しました。

ネスレ日本は、特定非営利活動法人 経済人コー円卓会議日本委員会とともに、社会的な視点から当社にとって重要と考えられる課題案件を49の課題に整理しました。

この49の課題に関して、専門的知見を持つステークホルダーの関心度合いと、ネスレ日本の事業への関連性と影響度合いを調査しました。その上で、ステークホルダーの関心とネスレ日本に対する影響が大きいと考えられる26の重要課題を特定しました。詳細は、以下のマトリックスをご覧ください。

日本では、以下の項目に対して高い重要性が確認されました。

  • 残留農薬、食品偽装、原産地における食の安全の確保、遺伝子組み換えと放射能などの食の安全
  • 製品のマーケティングとコミュニケーションにおける健康に関する情報の表示
  • 高齢化、高齢者の健康、単身世帯の増加と食習慣の変化
  • 情報セキュリティー、透明性の確保と企業情報の迅速な提供

グローバルと同じく日本においても、以下の項目に対して高い重要性が確認されました。

  • トレーサビリティと透明性
  • 資源の利用効率と水資源の適切な管理(ウォーター・スチュワードシップ)
  • 子どもの健康と過剰栄養
  • 女性の権利向上とダイバーシティ(ジェンダーバランス)
  • 社員の安全と健康

今後は、各課題がネスレ日本のバリューチェーンに及ぼす影響を評価するとともに、ステークホルダーとの直接の対話を通じて、重要と評価された課題への対応を進めてまいります。

ネスレ日本の重要課題マトリックス



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