満腹感をコントロール: 適切な食事量の選択と満腹感

6 17, 2015

私たちは誰もが、お腹がいっぱいになった時に感じる心地良さを知っています。それは美味しい食事を楽しみ、満腹になった時に感じる満足感です。

英国人作家のウィリアム・コベットは「もし満腹状態の人間の心を掻き乱すことができるというなら、やってみるがよい。」と記しています。満腹感は心地良く感じるけれど、人は満足してもなお食べ続けてしまいます。満足感を得るためには、どれだけの食事量が必要なのか知りたいところです。

「ポーション(一食分)」あるはサービングとはいったい何でしょう?それは、ある人が、あなたが食べるべきと決めた、定まっていない食事量のことです。では、この「ある人」とは誰のことでしょうか?

それは、レストランオーナー、あなたの両親、あるいは食品加工販売業者でもありますが、最終的にはあなた自身です。

過度に多い量は、あなたを過食に走らせます。大量の食事が提供された場合、人はいつもより多く食べるという研究結果が一貫して示されています。これこそが、ポーションサイズ(一食分の量)が問題となる理由です。

 
人は量が多ければ多いほど、より食べてしまう傾向があります。

世界保健機関(WHO)は、全世界で推定6億人以上が肥満であり、肥満により循環器疾患、糖尿病と脳卒中の危険が高まることを背景に、肥満は今世紀最大の公衆衛生上の課題のひとつであるとみなしています。

体重増加は、エネルギー摂取量の増加やエネルギー燃焼量の減少がきっかけで起こります。では、私たちの食事量に影響を及ぼす要因は一体何なのでしょうか?

「食事抑制」の神経科学

スイスにあるネスレ リサーチセンター(NRC)とスイスのローザンヌ大学のボードワ大学病院センター(CHUV)が共同で行った新しい研究(英文サイトへのリンク)により、脳内での動機づけおよび注意プロセスに基づいた「食事管理」は、ポーションサイズの選択において重要な役割を果たすという結果が発表されました。

研究主任であるJulie Hudry博士によれば、過食の人や「エモーショナルイーター」(不安、悲しみ、寂しさなどが引き金となり飲食をする人)は食事における管理能力が欠如している場合がありますが、教育によりこのような人達を助けることができるかもしれません。

研究では、正常体重の女性に同じ料理の様々な量(少量~大量)の写真を見てもらい、「夕食まで空腹感を抑える」ための「理想的な」ポーションサイズを選択してもらいました。

そして脳画像処理を行ったところ、女性が「少なすぎる」または「理想的」と判断した量の写真を見た時と比較して、後に「多すぎる」と判断した量の写真を最初に見た時、女性の脳の「視覚領域、サリエンス領域、報酬領域」において高い興奮が認められました。



ネスレの研究者は脳画像処理を用いて異なる量に対する脳の反応をマッピングしました。


注意と脳の適応行動が重要

Hudry博士によれば、注意と適応行動に関与する脳の異なった部分の活性が、これらの報酬関連反応と素早く連動したことを実証したのは、彼女のチームの研究が初めてだということです。

女性が理想的であると判断した量について、注意と適応行動に関与している領域において脳の活性が極めて高いことから、食事の選択時に自制が働くことで、摂取量を調節する欲求とエネルギーの必要性のバランスを保っていることがわかります。

「私たちは同時に2つのメカニズムが働いていることを発見しました」と、Hudry博士は言います。「1つ目は、より計算に関与するもので、食事がどれだけあり、何カロリーで、どれだけ満足できるだろうかを判断します。2つ目は調節メカニズムで、次の食事まで満腹感を持って過ごすために、どのぐらいの食事量が適切かを判断します。」

「知りたいのは、過食の傾向がある人においてこの2つ目のメカニズムが何らかの形で妨害されているかどうかです。」と、彼女は付け加えます。「この調節メカニズムでの伝達が、人が空腹をコントロールするのに役立つ可能性があるのです。」

「思慮のない食事」と消えたピーナッツ

人は大量の食事が出された場合、一貫した研究結果が示されていることから、ポーションサイズに関する無意識下の選択が食べすぎの原因であると考えられます。

NRCの研究者でありこの分野の研究を行っているLisa Edelson氏によれば、過度な分量を自身が食べていることだけでなく、食べさせてしまっていることに気づいていない人がいるということです。

あるNRCの研究で、親が子供に出していると思っている量が、実際に研究室で出してもらった量と大きく異なっていたことがわかりました。例えばリンゴソースのような、数えたり計ったりすることが困難な「形のない」食物を与えるのは特に難しいかもしれません。


ネスレの研究では、親は子供に出す量を誤って見積もっている可能性があることが示されました。

Edelson氏は、「思慮のない食事」もまた過剰摂取のもう一つの要因として挙げています。私たちの多くはこの「思慮のない食事」を経験したことがあるでしょう。おもしろいテレビ番組を見ている時に、食べていたピーナッツがほとんど無くなってしまっていることにふと気づきます。

スナックは気軽に食べるおやつであり、私たちのおなかを満たすためのものではありませんが、それでもカロリーの全摂取量に影響します。そして、長い目でみると体重の増加にもつながります。

Lisa Edelson氏は、1回の食事で食べたい量だけお皿に出し、パッケージは片付けることを薦めています。台所に再び取りにいくという小さな手間であっても、本当に食べたいかどうかを考えるきっかけになると、彼女は言います。

ポーションサイズに関する教育が不可欠

研究では、教育により適切なポーションサイズを選択する能力に差が生まれることが示唆されています。それが、ネスレが2015年末までに、子ども向けおよび家族向けのすべての製品で「ポーションガイダンス(一食分を知らせるさまざまな工夫)」を実施するというコミットメントを発表した理由です。「ポーションガイダンス」はお客様が製品の購入時と使用時に食べる量を決める一助となります。

ネスレはまた、適切なポーションサイズに関する教育支援と、ポーションサイズの選択に役立つ新しいツールとパッケージを開発しています。

 

ネスレの「ネスレ ピザポーション ガイド(英文サイトへのリンク)」をご覧ください。一つの大きさが全員に適しているわけではありません。

ニューヨーク大学の栄養士であるLisa Young氏の支援により、ネスレUSAは「ネスレ ピザポーション ガイド」(英文サイトへのリンク)を開発し、特定の食物を必ずしも禁止することなく、より健康的な食事をすることをサポートしています。

このガイドではピザを、生地になる穀物、カルシウムが豊富な乳製品、野菜およびタンパク質といった食品群が一切れに収まった「ミックス食品」として扱っています。ガイドでは、お皿の半分に野菜や果物を乗せてピザと一緒に食べること、また、ピザを食べる量を抑えて1日のナトリウム摂取量が食事摂取基準と確実に一致していることを確認することを推奨しています。

カナダでは、ネスレのチョコレートはSmarties一箱45グラムを3分割(英文サイトへのリンク)しており、15グラム(70キロカロリー)ずつ出てくるように工夫しています。適切なポーションサイズを把握していない一部のお客さまに、「食事パターンに物理的な影響を与え、食べ過ぎる前に考えさせる」ことが狙いです。

私たちが食べる理由を理解する

ポーションサイズの教育とそれに関連するパッケージデザインに焦点を当てることは大切です。また、特定の食品では糖類、脂肪と食塩を削減することにより、同じポーションから摂取する量をより適切にすることができます。両方の戦略を採用することで、より健康的で満足度の高い選択を消費者に提供することになるでしょう。

ネスレでは少ないポーションサイズで消費者を満足させられる方法を研究しています。さらにこの分野において一連のコミットメントを発表しています。


 

  クリックしてネスレの「ポーションガイダンス」のコミットメントをご覧ください。

最終的なゴールは適正量の食品を食べた後に十分に栄養が得られたと感じることであり、そのためには教育が必要です。ウィリアム・コベット著の「contented diner(満ち足りた食堂)」は大変難解なので、以下の質問をするのがよいでしょう。「あなたは満腹で心地良いですか?それとも食べ過ぎましたか?」「もし食べ過ぎなら、なぜ食べ過ぎたのでしょうか?」

関連リンク (日本語表記がないものは英文サイトへのリンクです)

共通価値の創造: 「ポーションガイダンス」
Improving our products: portion size
Nestlé Research Center
Ten healthy eating tips for kids
Nestlé launches education campaign to help US consumers achieve a balanced diet
Something to chew on: Nestlé researchers find that different foods impact eating behaviour and calorie intake
Children who cook eat more greens, Nestlé study reveals